隕石衝突の恐怖 - クレーター

恐竜の絶滅が巨大隕石の衝突が原因であると知って、私は一時期隕石ノイローゼになった。いつか巨大隕石が地球に衝突して人類が滅亡するのではないかと心配になり、回りの人に笑われた。

しかしそれは笑えない。古代中国にも、天空が落ちてこないかと毎日心配していた人々がいた。その人たちは杞の国の人で夏王朝の末裔だと言われている。このことから起こりもしない事を憂いる、「杞憂」という言葉が生まれた。天空が落ちてくることなどないので、これは巨大隕石の落下と私は読んだ。

安心ばかりはしておれない。巨大隕石は過去に数々の事件を引き起こした。一番大きなできごとは月の誕生だろう。これには他にも意見があるので、確定的ではないが、一顧の価値がある大事件である。

ネイチャーによると、この衝突は地球の大部分と隕石自身を破壊するほど大規模だった。そして、その破片で大気が冷却され現在の地球と月が形成されたと言うものだ。事実とすれば過去最大の衝突だ。

32億6000万年前に衝突した巨大隕石は、直径50kmで、南アフリカのから何千kmほど離れた海盆に衝突し、海底を変形させ、地震波と津波を発生させた。海の表面は沸騰し、高さ数千メートルの津波が海洋全体に広がったとされる。さらに、この隕石衝突は、初期地球の構造プレートを恒久的に変化させ、その結果われわれが知る現在のプレートになった可能性もあると言われる。

3億年以上前の衝突とされる過去最大級幅400kmのクレーターが発見された。オーストラリアの中央部、クイーンズランドとノーザンテリトリーの間に位置する場所だ。

アフリカ、チャド北部のサハラ砂漠にある「アオルンガ」と言われるクレーターは2億~3億年前に直径1.6kmの隕石が地球に衝突したときにできた。直径は17km。地図で見ると黒い帯状の模様が入っている。

衝突のスピードと隕石の組成で規模は変わるが、一般的に衝突は隕石の直径の10倍くらいのクレーターを作る。

ウィルクスランド・クレーターは2億5100万年前の隕石衝突によってできた直径500kmのクレーターで南極大陸氷床下にある。隕石の直径は50km以上と推定される。ペルム紀末の大絶滅の原因と考えられ、研究が進められている。

カナダ東部のケベック州に直径100キロに及ぶ巨大クレーターがある。中生代三畳紀後期の2億1500万年前、隕石の衝突で形成された「マニクアガンクレーター」だ。

日本にも勿論隕石が衝突する。約2億年前に巨大隕石が衝突した証拠が日本で見つかった。この時には大規模な環境変化が起き、多くの生物が死滅した可能性がある。恐竜を絶滅させた隕石衝突のはるか以前にも、大事件が生き物たちを襲っていた。この隕石の直径は3.3~7.8 kmと推定される。

1億4200万年前、巨大な隕石が秒速40kmでオーストラリアの中央近くに衝突し、2万2千メガトンのTNT火薬と同等のエネルギーを放出した。これが「ゴッシズ・ブラフ」だ。当初クレーターの直径は24kmほどあったが、現在はかなり侵食されている。

チクチュルーブ・クレーターが恐竜を絶滅させたという巨大隕石によるクレーターだ。メキシコのユカタン半島にあって6550万年前にできた。直径は隕石の直径は10km〜15kmで、今は石油採掘がされ詳しいデータの収集が困難だ。

シバ・クレーターは、インドのムンバイ西、海底にある6550万年前の小惑星衝突跡であると思われる地形で、長さ600km、幅400kmの長方形の形状だ。このクレーターを生成した隕石は前記のチュチュルーブクレーターとほぼ同時期に衝突したと見られ、恐竜を絶滅させたのはこの衝突で、恐竜を初め白亜紀の動植物絶滅の原因とする学者がいる。

カナダ、サスカチュワン州のレインディア湖西南には「ディープ・ベイ」という湖がある。形はきれいな円を描いていて、非常に浅い。1億年前に巨大な隕石の衝突により形成されたもので、直径は13kmほどある。

5500万年前に地球に落下した隕石が地球の温暖化をもたらしたという学説を唱えている学者もいる。この地球温暖化は、1000年もたたないうちに6度も気温が上昇するほど急激なものだ。ニュージャージー州の海岸でその証拠が発見された。 

アラスカの山中にあるシジレメンカ湖クレーターは、12kmの大きな直径を持つ。1万年前の衝突と見積もられている。1万年前に氷河が融けたのはもしかしたらこの隕石の衝突が原因ではないかと疑われている。

ケビラ・クレーターは2800万年前の隕石衝突により形成されて。現在のエジプトにあり、直径約31kmもある。この衝突は古代エジプト人が装飾に使用したリビアングラスの生成原因になった。

アラル海の北100kmくらいの村の南西40に位置するジャマンシン・クレータは、90万年前の衝突で、直径13.5kmという比較的大きな円形の陥没地形である。

ソドムとゴモラの物語を知っている人は多いだろう。これも隕石の衝突と関係があるようだ。場所は特定されていないが、死海南部だろうと推定される。これは小惑星爆発で紀元前3123年6月29ユリウス暦日と計算される。約5200年前に世界中で急激な気候変動があり、アフリカ北部では緑豊かな地域が突然乾燥し、サハラ砂漠になり、チリでは熱帯地域が雪と氷に覆われ何千年も溶けずに残ったというのだ。中東では肥沃な地域が砂漠に変わり文明が滅びた。この時の隕石の衝突との因果関係が議論されている。隕石の直径は1.2kmであったとされる。

ネルトリンガー・リースと言う町はドナウ川の北ドイツ、バイエルン州西部にあって、地形は直径約24kmの円形の盆地である。2個の隕石が衝突してが、大きい方の直径は約1.5kmで衝突後は海に沈んで堆積層を作り、その後再び陸化した。氷期のあいだに浸食されて黄土が形成され、この地の農業の基礎を作った。この地の石材建築は直径が0.2mmを超えない微小ダイアモンドを何百万個も含んでいる。

そう言えば南アの鉱山も隕石の衝突でできたので、隕石の衝突という事件が人類にお土産を持って来たとも言える。

最近ではシベリア・ツングースに落下した小さな隕石の直径が100mであったと推定される。たった100mでも甚大な被害があったことが報告されていることから、直径1km以上の小惑星の衝突は、人類を滅亡させるのに充分である。

今はたまたま平穏な時代を生きているだけだと言うことができる。もし小さくてもそれが世界に数多い原子力発電所に衝突したらどうなるのだろうか。私の心配は杞憂ではないと思うのだが。

酒巻 修平

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