社長と社員 - 結果を出すことを考えない

会社は社員の給料や経費を前以て支払っている。いわば投資だ。だからもしこの社員の仕事の結果が直接であれ、間接的であれ、会社に利益をもたらすことがなければ会社の投資は損害になる。

 ある取引先が商品代金の支払いをしない時、営業担当または経理が支払いの請求を文書や電話ですることになる。

 電話で請求をせよと命じられたら営業の担当者は当然支払って欲しいと電話をするが、決められた期日に支払いをしないような会社だ。当然のらりくらりと言い逃れをする。

 こんな場合はその会社と取引を中止することになるが、それでも出荷した商品の代金は支払ってもらえないと会社は損をする。

 営業担当者が電話をしても支払ってもらえない時はその担当者はどうするのだろう。とにかく一回は電話をするが、結局払ってもらえなかったと報告をする人と支払ってもらえるまで、しつこく電話をして結局は支払ってもらう人に別れる。

 前者は自分が使った時間分の給料と電話代の無駄遣いに終わっただけで、これでは電話をしない方がましだ。この担当者はさらにその会社との取引の中止の処置も行うこともなく、更に出荷を無節操に続けてしまい、更に損害を拡大する。

 こんな支払いを怠る取引先の会社では社長が捕まらないときが多い。居留守を使うし、女子社員に連絡を頼むが、電話は掛かってこない。優秀な担当者なら電話に出た女子社員には気の毒でも、この女子社員に支払いを頼む。

 それは社長に言って下さいとか言いながら、女子社員は困るだろうが、それは仕方がない。推薦すべき手法ではないが、同じ女子社員に支払いの督促を何度もすると女子社員は社長に支払って欲しいと泣きつくだろう。多分社長は支払う。大きな金額だとまた違う手を考えなければならないが、大体金額は知れている。

 これはほんの一例だ。絶対仕事の目的を果たすようなやり方で仕事をしている社員とただ仕事のための仕事をする社員では会社の利益は全く違う。だから社員の能力の方向や大きさにより頼む仕事の種類を考えなければならない。目端の利く社員は反面単純でただ量の多い仕事をするには苦手だろうし、売掛金の回収をできない社員も単純作業ならできる。

 最近は会社の指示通りまたはマニュアルで規定されている方法しか取れない社員が多い。人間の脳は覚えるだけではなく、考えることもできるようになっている。考えることをしない社員に仕事を頼むと頼む方でも細かく指示しなければならない。効率がとても悪い。

 仕事のための仕事をする担当者がときにより、的外れの結果を報告してくることも多い。ある会社の状況を調べてくれと依頼すると同名の別会社のことを報告したりする。

 最近はサービス残業に対する風当たりが強い。しかしそんな的外れな仕事をしたりお座なりなやり方を取る人に会社は給料を払いたくない。当然ボーナスも少ないし、できれば辞めてもらいたい。

 そんな社員も元から能力がない訳ではない。優秀な頭脳を持ちながら、その使い方が悪いのだ。物事を記憶や経験だけで処理する癖が付いている。これは払拭しなければならない癖だ。ゆとり世代に特に多い。

 私はそんな社員には時間を掛けて教育をする。教育とはその人の持っている能力の全てを出させる訓練だ。教育に名を借りてまた知識を詰め込み、さらにその人の脳を駄目にしてはならない。要は物事のやり方を自分なりに考えさせるのだ。

 人が何を考え、どういう行動を取るか予見すれは解決する事が多い。上記の支払いをしない会社の例でも、その会社に支払い資金がない訳ではない。社長の悪い性格で支払いを遅らしたり、回避したりするだけだ。だからしつこくあるいは女子社員を通じて支払い請求をすれば。こんな社長は面倒なことが嫌いだから、必ず支払いをするのだ。担当者はそんな人の性情を考えないから成果の出ない仕事をただ行う。

 「人は考える葦である」。パスカルの言葉は今も有効だ。考えない人の収入は少ないのを自覚し、家族のために少しでも多くの給料とボーナスを持って帰って妻を温泉に連れて行ってやって欲しい。思考はより多くの収入をもたらす。

酒巻 修平

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