節税対策 ー 毎年子供に贈与

親は子供に一定のお金を上げたいと思うものです。何億円も上げれば勿論税金の対象になりますが、少額ならどうでしょうか。

 年間110万円以下の贈与は税金の控除の対象になります。子供が30歳になって不動産を取得するに際して贈与された金額を購入の資金に充てることは充分あり得る話です。

 それに対して税務署は種々の要件を定めています。その一つが子供の側に贈与を受ける意思があるかどうかの確認です。しかし考えればお金を上げると親が言っているのに子供は要らないというケースなどない筈です。だからこれは税務署ができるだけ税の控除を受けにくくする制度ではないかと思っています。

 それと税理士は贈与契約書を作っておけと言っていますが、それも疑問です。契約には様式性はありません。当然口頭による話合いも契約です。お菓子を買うのも一種の契約で、買う側はお金を払う債務があり、売る側にはお菓子を与える債務が生じます。こんな時にも契約書を作成しなければならないとすれば世の中進みません。だから契約書がない契約はいくらでも存在するのです。

 互いにその内容の契約があったとして、税務署がないと否定するなら、そのないという証拠を税務署が証明しなければなりません。挙証責任は税務署にあるということです。

 贈与契約がなかったという証明などできる訳がないので、贈与を受けた側、贈与をした側がそのような契約をしたと言えば、税務署は認めざるを得ません。契約書を作った方が良いのはその通りですが、税理士が言うように契約署がないと税務署が認めないと匂わせる行為は少しゆがめた言い方です。

 例えば一郎君が35歳になって父親から3000万円をもらって、それを購入資金に一部に充当したとしましょう。この3000万円に税金が掛かるでしょうか。

 言い換えれば税務署は3000-110=2890万円に対して税を付与するにはどうしたらいいのでしょうか。一郎君が赤ん坊のときから父親が毎年110万円をもらっていて、それを預けていたと抗弁されたら、税務署はそれは違う。こうこういう証拠があるから、3000万円の税金の控除は認められないとどうすれば言えるのでしょう。証拠はあるのでしょうか。

 要は納税側が上記のように言うかどうかに掛かっています。3000万円を一度にもらってとしても、ずっと管理するのは手間だから預かってもらっていた。だからその預かってもらっていた金額を今返却してもらってと言われてしまえば、税務署は強制的に税の執行はできません。

 もともと贈与税など二重課税もいいところです。父親は税金を支払った後そのお金を持っている訳ですから、それにまた税金を掛けるのは本来できる訳がないのですが、日本の税制はそれを許しています。

 勿論毎年110万円の贈与を受けていたことが虚偽であれば、税金を払わなければなりませんが、その虚偽を税務署がどのように証明すればいいのか、途方にくれるでしょう。

 因みにこの件をどこかの税務署に尋ねると分かります。年間110万円もらったことが虚偽なら税の対象になるとは言うでしょう。しかしもっと突っ込んで、挙証責任はそちらにある筈だから、その証明をどのようにするのか聞けば、税務署は方法がないと答えるでしょう。

 もし税務署が言ったことが嘘だとすればそれはそのように言って事務官の処罰の対象になります。ですから質問を厳しくすれば本当の姿が見えてきます。

 詳細なやり方については税理士に聞けばいいでしょう。真っ当な税理士を選べば、きっちりとした答えを言ってくれます。くれぐれも税務署の立場に立つような税理士を選んではなりません。税理士に対する報酬はこちらが支払っているなら、支払いしている人に有利になるように対応してくれないと困ります。

 脱税をせよと言っているのではありません。契約、税法、税理士に対する考え方をしっかり持って欲しいと言っているのです。

酒巻 修平

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