経営講座 -起業-

私はまともに仕事をする気がある全ての人に起業をしてもらいたいと願っています。大企業で大きな仕事を任されるのも自分を生かす一つの選択肢ですが、ここでは自分の能力や成果は他の人が評価し、それを受け入れる能力が求められます。

それが正当になされる保証はありません。過少だったり過大だったり、自分の精神の満足を得ることは容易ではないのです。自分が起業をすると苦しくても他人が助けてくれることを期待できない反面仕事の成果が自分を正しく評価されます。それは公明正大です。何のお世辞も企業内のいじめもありません。

起業をするには二つの要素が必要です。一つはある程度の能力でもう一方は馬鹿さ加減と言えます。人は父母の二つの遺伝子の組み合わせで成り立っているので、どんな場面においても二面的、二元的であると考えられます。

だから起業にも二面の要素が求められるのは自然です。ここである程度の能力とは物を読み書きできる能力、人の要求を理解しようとする努力ができること、正しいことは正しいと考えられる能力、など人としての基本的なものです。有名大学を卒業したとか、業界に関する深い知識があるなどの皮相な能力を持っている必要は皆無です。

片や、馬鹿さ加減とはもう少し高度な性向です。起業をしても成功する可能性は保証されませんし、統計によると20年、30年企業が生き残る確率は5%程度だと言われています。

そんなリスクのある行動をするには馬鹿さ加減が必要なのです。動機は様々ですが、例えば勤める会社の経営者が尊敬できない。上司が無理解でいじめのようなことをやる。金が欲しい。転勤できない。

そんな止むに止まれない事情が後押しをするのですが、実際起業を実行する人には馬鹿さ加減が求められます。あるいは馬鹿さ加減を持っている人が成功するとも言えます。

企業の経営においてはこの馬鹿さ加減を必要とされる場面が絶えず現れます。この企業と大きな取引をしていいのか。この商品の在庫を持っても大丈夫か。人を雇うと経費が掛かるがそれは利益を伴って帰ってくるのか。こんな場合には会社を揺るがす大きな決断しなければなりません。

少ない資金で企業した人は人を雇う経費が出ない。そうすると全て自分でやらなければなりません。営業をやっていた人は事務仕事が不得意な場合が多いのですが、そんな不得意な仕事もやらなければなりません。そうすると自分の自由な時間がなくなり、睡眠時間を縮小しなければならない局面もあります。

経営者は起業当初オールマイティに仕事をこなさなければならないのです。仕入れをし、売り、資金繰りをし、事務をこなす。こんなことを同時にやることは会社に勤めると要求されません。

最低資金も必要です。今は零細な企業を起こす資金を借りることができるシステムがあります。大体300万円くらいは貸してもらえますが、それだけでは足りません。また足りないように貸してくれるのです。

仕入れは貸してもらった資金で賄うことも可能ですが、自分の生活資金がありません。だから起業しようと考えている人は3年分くらいの生活資金を用意しなければならないでしょう。一か月の生活に必要な資金は最低20万円と考えると3年間の必要資金の金額は720万円です。

企業が黒字になるまで、大体3年ほど掛かるのが自然です。売上が3年間全くないことはないでしょうから、720万円の全額が必要とは言えませんが、この程度は用意する必要がありそうです。

もしまだ両親の家に住んでいて、食費などを全て両親が出してくれる環境にあるなら、今がチャンスです。チャンスは逃してはなりません。この時に考えて起業を少しでも延期することを考える人には馬鹿さ加減がないと思われますので、自身の会社を経営することは諦めた方がいいでしょう。

私の周りにも能力はあるが馬鹿さ加減がなく、意思があっても結局起業することができないで終わる人が沢山います。そんな人は大会社に勤めてはなりません。会社の意向と自分がやりたいことが噛み合わないのです。小さな会社で自分の持っている能力を会社の為に使う方が幸せです。

酒巻 修平

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