経営講座 -仕入れー

仕入れが会社の要であると昔から大阪の商人は言っていました。確かにそうだと思います。顧客の数と仕入れ先の数を比べてみると仕入れ先の数が圧倒的に多いのが一般的です。だから一顧客がなくなっても会社には影響が少ないのですが、一仕入れ先がなくなるととても困ることになります。

 そんな大切な仕入れ先ならその選択は充分な吟味を行わなければなりません。仕入れ先が駄目で会社がいつも苦労をしている会社を度々目にします。同一の商品を扱っている会社が複数あるときはそのうちのどこと取引すればいいのか、やってみないと分からないというのが、当たりまえのようではあります。

 しかし取引をする前から評価をする方法はあります。世間の評判を聞くのも一つですが、できれば取引を予定している会社の社長と直接面談するのが手っ取り早いと思います。もし相手の会社が大きければ担当責任者と取引の前に必ず会った方がよろしいでしょう。

 会社の取引相手、売るにしても買うにしても、をどのように管理即ちどの会社と重点的に取引をするかを考えることは重要なことです。結論から言いますと自分の会社と同規模の会社が一番儲けさせてくれる会社です。

 私の会社の第一号の顧客は本田技研工業でした。世界的に有名な会社でしたが、こちらもむこうも互いがしんどい思いをしただけでした。それに懲りて百貨店や上場企業とは取引をしませんでした。それが残念なら自分の会社が大きくなることです。

 規模が違う会社は考え方も違い、どうしても相手に合わせられない点が頻出します。自己の会社が大きくなれば小さい会社と取引するのはテクニックが要りますし、儲けさせてくれません。自分の会社が小さい時は相手の会社の要求が不当に思えます。

 仕入れ先の会社の商品が良いだけで取引してはなりません。その会社がどのような考えを持っているか、誠実なのか、ただ自己の利益だけを考えているのかを見極めなくてはなりません。その意味ではさる大手の通販サイトを運営する会社などは最低の会社でした。

 そことは取引をしていましたが、どうしてもその会社の言い分が納得できず取引を止め、世界最大級の通販サイトを運営する会社に切り替えました。

 取引をするときには契約書を交換します。その会社が提出して契約書に目を通すと、そこには日本の会社がないような公平性を見出し、感心、感激したものです。商品は素晴らしく要求することはこちらの欠点の修正を迫ることが多かったのも驚きでした。

 ですから考えなければならないのは二つ、一つは商品に関する具体的なことで、もう一つが相手の会社の考え方です。二つが揃わなければ取引を開始してはなりません。もし自分の目に叶った相手がいない場合はその同種の商品を扱うことを諦めることです。

 細かいことでは評価することは色々あります。例えば残業が多い会社の商品は安いと思います。これは例外もあるでしょうが、大体そんなことを考えながら取引相手を探せばいいでしょう。

 仕入れ先は一般的にはこちらの言うことを聞いてくれます。試しに何か要求してみましょう。例えば仕入れ単価です。今10000円で買っている商品の仕入れ単価を9900円にしてくれと要求する、請求書の様式を変えて欲しい、支払い日を伸ばして欲しい。そんな要求の何割を聞いてくれるでしょうか。私の経験では100%でした。

 あまり不当な要求はしてはなりません。相手も会社を運営しなければならないので、一時はこちらの要求を呑んでくれるかも知れませんが、そのうち要求の撤回を申し出てくるでしょう。

 仕入れ先が大切であればその仕入れ先の事情をできる限り聞いてやることです。勿論それがこちらの利益を害するなら話は別ですが、そうでないケースも多々あります。仕入れ計画を出してやるとか、資金繰りが苦しい会社には少しでも早く支払ってやるとか、相手が喜ぶことは色々あります。そうすることで相手も助かりますし、それがこちらへの値上げ要求の中止などに繋がる、こちらを特別扱いにしてくれるなど恩恵は多いものです。

酒巻 修平

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