経営講座 -人事ー その3

 あまり不幸な生い立ちの人も駄目です。この人も気の毒ですが、それは会社の責任ではありません。両親や国がその人でも幸せに生きる手段、方法を考えてあげるべきです。

 そんな人を入社させると何かに付けて会社を恨みます。自分のボーナスが人より少ない、上司の言葉使いが失礼だ、この会社には碌な顧客はない。それはそうでしょう。会社がもし真剣に業務を行っていなければこの人の言うことも頷けます。しかしどの会社も楽でない筈です。

 こんな人がいました。お母さんがなくなり、暫くしてからお父さんが再婚されました。しかしその再婚の条件が子供を引き取らないということだったようで、その人は親戚を転々と回され、邪慳にされ、不幸な少年時代を送ったようです。

 その人が付き合っている同僚もできの悪い人で、この不幸な人に同調します。この不幸な人は能力のある人でしたので、何とか引き上げようと思って重要な仕事を任せたのですが、前に書いたように最後は3年間1時間も仕事をしなかったので、解雇せざるを得ませんでした。

 付き合っていた同僚は会社に残りましたが、この不幸な人に影響されて、そのうち会社を退職しました。その後の噂によると二人とも再就職しましたがやはり会社とは上手くいっていないようです。

 比較的高齢者の採用も要注意です。私は年齢の制限をしなくて人を採用していましたが、女性は大丈夫でした。ある比較的高齢な女性は日本語の文章が上手だという理由で採用したのですが、今も会社で勤務して大切な仕事をこなしています。

 一方男性で確か60歳くらいだと記憶している人を採用したとき、最初の出勤日に定期代を仮払いして欲しいというので、そうしますと、その明くる日から出勤しませんでした。仮払いはたった1万円でしたが、保証人に支払って欲しいと頼むと支払ってくれました。まだ救われるケースです。そんなことをしなければ会社ではちゃんと雇用を続けたと思います。

 能力を超えた過大な給料を要求する人もいます。その人は私がサラリーマン時代に部下だった人ですが、その時は仕事ができました。それで会社を設立して利益体質になったときに取締役で会社に就職しないかと誘ったのです。

 入社して何年か経ちましたが、その人に仕事を任せると出来が悪いのです。経理の責任者をやっていたのですが、当時給料は70万円。今の金額では90万円くらいになるでしょうか。勿論ボーナスも支給していました。

 ですから年収は今の金額で1200万円くらいだったのですが、ある日相談があると言って時間を呉れと言われました。話を聞いてみると今の給料ではやっていけない。給料を10万円ほど上げて欲しいというのが希望のようでした。

 お父さんかお母さんがご病気になられそれでお金が要るのかと思って理由を聞くと答えは社会常識に外れたものでした。一人息子を大学にやりたいので、その準備をしている(そのとき息子さんは小学生でした)。だから毎月貯金を10万円しなければならない。そんなことを平然と言いました。

 当時会社では経理、在庫、売上などを連動するプログラムを大きい会社に依頼して、すでに1000万円支払い済みです。この人はコンピューターが得意だというので任せていました。ところがこの連動プログラムができません。当時私はコンピューターなど操作もできない状態でしたが、そんなプログラムは構築可能だと誰からも聞いていました。

 そこでその人にそのプログラムが完成したら給料を上げましょうと提案したのです。ところがどうしても完成しません。それで完成しない理由を聞いたり、急かしたりしていました。完成すると人件費が毎月30万円ほど節減できる予定だったのです。

 完成できないものでしたからその人はストレスを感じてしまい、私と話をする度にストレスが進行します。医師に相談すると私と離れない限りストレスは治らないとアドバイスされたようです。私もそれに同意しました。その人は会社を辞めました。

 因みのその後私は自分自身でプログラムの構築の勉強をしました。そして独自で連動のプログラムを作りましたが、そんなに難しくはありませんでした。

以下次項

酒巻 修平

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