大相撲今昔

今、相撲人気は例を見ないほど高まっている。理由の一つに女性のファンが増えたことだろう。しかし昔から相撲を見ている者に取って今の大相撲は全く面白くない。これには訳がある。

今の力士は近代相撲と称してできるだけ早く自分の巨体をぶつけ、相手を押し出すことを第一と考えている。ここには技というものがない。この目的のため、力士には巨体を作ることが要請される。これが怪我の原因である。

これはもう相撲とは違う別のスポーツだと思われるのだ。日本の柔道がオリンピックに参加するようになってから、ポイントを上げるため違うスポーツになったのとよく似ている。

昔の相撲を見てみよう。栃錦、若乃花(前前代)、輪島、大鵬、玉の海、隆の里、千代の富士などの取り組みは今でもYoutubeなどでも見ることができるので、今に相撲と比較することが可能だ。見ると体の使い方がとても良い。

ほとんどが熱戦で、強い力士同士の対戦は1分以上続くことも多く、非常に面白かった。今では30秒も取り組みが続くと熱戦だと言われているが、これでは単なる肉弾戦である。

昔の力士は上半身から力を全身に伝えて相撲を取っていた。腰や下半身で相撲を取ることはしなかった。だから割り出し、呼び戻しなど今ではみることができないような技があった。魁皇がこんな体の使い方をしていれば横綱になっていただろうが、腰を使うためい痛め、大関止まりだった。

栃錦と若乃花の対決を見て欲しい。これが相撲だというような一番ばかりで、本当に手に汗を握った。また玉の海は27歳、現役のときに急逝したが、体の構えは芸術的でさえあった。

今白鵬が強いのは本人が意識しているかどうかは別として、本来あるべき体の使い方を取り入れているからである。白鵬が背中に絆創膏かサポーターを貼っているのを見たが、これはその辺りに力を入れているからだと思われる。

日馬富士は千代の富士と同様で、小兵であるから体全体を使う。もし日馬富士に怪我がなければ白鵬と良い勝負ができるのではないかと残念だ。この二人以外に昔並みの力量を持った力士はいない。

ただ白鵬は嫌な力士だ。勝負が着いているのに、更に相手を押す。あるいは相手を半分気絶させるために「かちあげ」という手を使う。また立ち合いを故意にずらす。頭は良いのだろうが、この横綱には品格というものが全くない。

過去の強豪力士として名高いのは雷電、谷風、太刀山、栃木山、双葉山であろう。それぞれ怪物ぶりを見せている。この中で今もビデオなどで実際の勝負を見ることができるのは双葉山だけである。もうこんな怪物は出てこないだろう。

 太刀山は仏壇返し、栃木山は引退10年後の大相撲大会で優勝、双葉山は69連勝というエピソードを残している。このようなはもう出てこないのだろう。

 若乃花も「仏壇返し」という技を使ったが、この力士のは「仏壇返し」ではなくて「呼び戻し」だ。相手の体を少し右へ傾けようと力を加えると相手はそれに対抗するため左に力を入れる。その力を利用して若の花は右から投げると簡単に倒せるのだ。

 真正「仏壇返し」は相手の片腕を殺し、利き手で相手の胴を強烈に押すと、片方が封じられているので、仏壇のように倒れてしまう。だからこの名前が付いたのだ。やったのは太刀山。この太刀山は雷電の再来と言われた力士で、「突っ張り」では一発半で、相手を土俵に外に付き出した。

 27歳、現役の横綱で急逝した玉の海の体の構えは芸術品だった。上半身から発した力が腰、足、腕に伝わり、引き技は全く通じなかった。今の力士が引き技を食うのは腰から下にばかり力が入っているからだ。親方はそれを教えない。

 今のアナウンサーも頂けない。力士名の間違い、星数の数え違い、意味不明な文章、力士へのインタビューの下手さ加減。今の大相撲は全体的にレベルが低い。

 昨日秋場所の千秋楽で、巡業の日程を発表されていた。1週間に6日は巡業。巡業地では一日中ファンサービスに追われる。それを相撲協会の幹部が疑問に思わないどころか、金儲けのためにますます巡業を増やし、自分たちの懐を肥やす。

酒巻 修平

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