「休場は試合放棄」

 貴景勝が今場所11日目に勝ち越して翌12日目に届を協会に提出、休場した。足の靭帯を痛めていて、何とか勝越しまで頑張った末の決断だったようだ。

 これに対してある親方は「休場は試合放棄」と発言して貴景勝の休場のあり方を非難した。

 彼は私の贔屓の力士ではないが、力士が親方の非難に反論できない立場を考慮して一言代わって物申したい。

 貴景勝がそのまま出場してもう何勝かするために足の傷を更に悪化させて良いのだろうか。私は彼の結論が正しいと信じる。彼は大関、取組みの目玉で、彼の傷が早く癒えるのは観客にとっても協会の取っても願わしいことだ。

今は年6場所で、力士の体も大きくなっている。だから怪我をし易いし、場所数や巡業が多すぎて傷を癒す時間が足りない。

 相撲協会は力士のことを心配し、配慮しているのか。昔力士は「一年を10日で暮らす良い男」と言われた。これくらい場所数が少ないと力士は万全の体調で場所に臨める。

 今はそんな状態ではない。だんだんと場所数が増えて、力士は酷使されている。興行のことだけを考え力士の体調や身体のことを注視しない協会の運営の在り方は非難されるべきである。年に2場所のころの興行でどの程度の収入があったか定かではないが、当時の親方や協会の幹部は今ほどリッチではなかったと推測される。

 当時はそれが当たり前で何しろ力士が表裏とも主役であり、引退して親方になった元力士は現役力士を指導し、何くれと面倒を見ただろう。

 それが欲呆けになった元力士の親方どもは力士を食い物にしていると言われても仕方がないだろう。この点は深く反省してもらいたい。

 今場所は先場所から4か月時間が空いている。だから怪我を押して出場した力士は少なく、それぞれに力を出し切れているのではないだろうか。先頭を走る照ノ富士も脚に大きな怪我をして幕内まで上がってきた。

 それは美談として取り上げられているが、もし場所の間隔が4か月だったら、彼は序二段まで落ちることはなかっただろう。しかし実力者、朝乃山より強いと感じた。これも傷の具合が良くなってきたからだろう。

 もし栃の心、照ノ富士、玉鷲、高安、琴奨菊、勢、豊山、遠藤、などに怪我がなかったなら、大相撲の面白さは倍増しただろう。残念でならない。協会は何を考えといるのだろう。場所数を後2,3場所少なくしてもらいたい。

 確かに貴景勝には多少計算高いところがあっただろうが、彼もプロのスポーツ選手。計算するのは当たり前である。野球選手、特に投手は中2日とか3日と計算され出場している。

 上記の発言をした親方は現役時代休場したことはないのか。多分休場経験があるだろう。その時の自分の窮状を考えるとそんな発言は出ないと筈だ。

 力士が親方になると視点が180度変わるようだ。力士と同じ視点でものを見たのは相撲から遠のいた元貴乃花や往年の名力士である双葉山などで、そんな親方であった貴乃花などは異端と他の親方から返って非難の的に晒された。

 日本人は優秀である。特に上層部でないその下の層に位置する人々は立派で、そのためか上層部はしっかりする必要がない。だから上層部の人には間抜けが多い。

 相撲協会でも言えることで、今の上層部の利己主義は見ておれない。場所が終わると力士をすぐに巡業に追い立てて、親方どもはできるだけ沢山の収入を得ようとする。

 巡業を心待ちにしている人たちはいるが、力士の体を考えるとそんなに多い巡業は問題だらけだ。力士は親方に取って金を生む鶏であってはならない。

 それでなくても力士は体を大きくするためにできるだけ大量の食事を摂る。だから糖尿病が力士には多いし、慢性の腰痛を抱えていることも当たり前になっている。

 怪我といかに付き合うかが力士の与えられた課題と言われているが、その前に力士が怪我をしないよう、怪我をすれば何とか場所前に完治するよう協会は助力すべきではないだろうか。

 

 自分の弟子の力士の怪我には何とか親方は対処するだろうが、協会の方針を変えるわけにはいかない。そうして怪我を抱える力士が増加する。

 今怪我をしていない力士は誰だろうか。朝之山はその一人と思われるがそれは傍から見ただけだ。実はどこかに怪我を抱えているかも知れない。

 横綱白鵬が右足の関節を更に痛め、休場して優勝がなくなった。彼ももう35歳か。多分に近々引退するだろう。彼が引退して協会の上層部の一員になると協会は更に金まみれになるような気がする。

酒巻 修平

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