新聞記事ー人生相談

 先日の新聞に次のような相談が投稿されていた。但しこれが誰か実在の人物からのものか、新聞社の虚構かは判断ができない。

 相談者は60台後半の既婚女性。夫を愛し、夫もこの人を愛して結婚生活を40以上続けている。この人が10年以上前に夫から言われた言葉「お前は空気みたいなもの」という言葉をいまだに気にしている。

 相談内容は自分の態度が間違っているのか、夫を信じて生きていけば良いのか教えて欲しいというものだ。

 ここまでは世の中ざらにあること。それぞれの人はそれぞれの考え方、生き方があるものであるので、何ら怪しむべきものではない。

 問題はそれに対する回答である。回答の趣旨は「妻を空気みたいと称するのは男性の都合の良い言葉で嫌だ」何故なら「空気は努力しなくても手に入る」。

更に「疑問は自分に問いかけろ、そして嫌なら嫌だと言え」と勧めて、「夫にも同じ言葉を投げかけ、嫌がるかどうかで真意を確かめろ」そして「良い妻になるのは良いが、都合の良い妻にはなるな」と結論付けている。

回答者は心療内科医でときどきこの人生相談に現れる女性。相談者はすでに空気という言葉を嫌っている。嫌っているから相談しているのに、もう一度自分に問いかけろとけしかける。

私は色んな既婚男性と話をする。ほとんどの人が妻に対して何らかの悩みを抱えている。空気のような存在であると言う人はほとんどいない。

これは10年以上前のこと。忘れている可能性が大だ。文面ではそれ以来同じ言葉を吐いていないようである。そして肝心なことは妻と夫が相思相愛であることだ。

それを蒸し返し、夫に喧嘩を売るような接し方を勧める回答者の人生相談を受けて良いものだろうか。もし悪意があったとしても、どうして許してやらないのか、この点も疑問である。

人は皆間違いを犯す。もし言葉が悪意より発したとしてもそれは間違いである。何故なら夫は妻を愛しているからである。

この妻は間違いを犯さないのだろうか。そんなことはないだろう。妻が間違いを犯し、夫が人生相談で、10年以上前の妻の間違いに対する回答を期待するだろうか。

人は一面弱い存在である。その弱い存在同士が助け合い、愛し合いながら生きている。そこへ喧嘩を勧めるようなことを言われると弱い存在は動揺し、本当に喧嘩を始めてしまうかも知れない。

この回答者は新聞紙上に現れるくらいだから、何らかの力を持っている女性だろう。その力を持っている人物が弱い人物に喧嘩をせよと勧める。

どう考えても納得がいかない。回答者の職業は心療内科医と書いてある。もし本当なら、大勢の悩める人にこのような考えを吹き込んだと思われる。

そして大勢の人がその助言によって喧嘩を相手に仕掛けたと推定されるではないか。

世界情勢を見ても、各国はできるだけ喧嘩をしないように努力をしている。北朝鮮の問題もそうだ。喧嘩は最終手段でできるだけ回避したいのだ。

10年以上前のこと。それが不当であっても愛し合っているなら、もう忘れてあげなさい。その程度の度量がなければ共同生活をするのは大変ですよと、どうして勧めてあげられないのか。

これは女性のエゴであろうか。女性は10年以上前のことを根に持って、いつまでも言い続ける権利があるのだろうか。

このような回答者は社会を悪くするように思えて仕方がない。この人生相談が虚構であることを願う。

酒巻 修平

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