スポーツアナウンサー

 私には馬券(勝ち馬投票券)を買って

楽しむ趣味はない。

 しかし時々競馬を見る。馬がゴールを

目指して走る姿やゴール寸前の緊張感は

見ているだけでも興奮を覚える。

 それに競馬実況のアナウンサーの

実況放送の名調子が素晴らしい。

 馬が進むに連れて位置が入れ替わり、

ゴール目指して争う。するとアナウンサー

の声の調子も高くなり、早くなる。

 声を聞くと何人かいるアナウンサーは

全て若い人のようであるが、その訓練

されたスピード、日本語の文章の確かさ、

そして声の美しさ。耳に快いのを通り

過ぎて、一種恍惚となる。

 昔の放送、放映のアナウンサーは皆

このようであった。アナウンサーが使う

言葉は美しい標準語で、間違う事など

なかった。

 何人かの名調子のアナウンサーがいて、

名物アナウンサーと言われたものだ。

亡くなった竹脇無我のお父さんはその

名調子のアナウンサーとして有名であった。

 NHKにも個性的で素晴らしい人が

何人かいたが、宮田輝とか高橋圭三とかは

今でも覚えている。

 時代は変わり、テレビも斜陽になって

来た今、スポーツを実況中継するアナウン

サーはとても聞いていられないほど下手

だ。

 下手というよりもう彼らはアナウンサー

とは言えないレベルにある。訓練すれば

競馬のアナウンサーのようになれる筈だが

全く勉強をしていない。

 競技者の名前は取り違える、獲得点も

間違う。解説者にそれを訂正されるまで

分からない。

 私はマラソンや駅伝、相撲が好きだが、

それらはほぼライヴだから、アナウンサー

は実況中継をしなければならない。

 ニュースキャスターのように原稿を読む

のではないので、即興性が求められる。

 相撲のアナウンサーは酷い代表格である。

力士の名前の取り違えはしょっちゅうだし、

だいたいアナウンサーの声になっていない。

 発音は不明瞭で声は素人が話すのと同じ。

インタビューは力士が応えに窮するような

ことを訊ねる。

 駅伝のアナウンサーも頂けない。間違いが

多すぎる。放映の画像は工夫が凝らされて

いて、だんだん良くなっていくのにアナウンス

技術は悪化の一途を辿っている。

こうして文化は衰退する。嘆かわしい。

酒巻 修平

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