度忘れを科学する

 ある程度の年齢になると度忘れを

するようになり、もしかしたらアルツ

ハイマーの初期症状ではないかと不安

になることがある。

 脳には海馬という部分があり、ここ

が情報の収集、即ちインプット、保管

をしているが、この機能はコンピューター

にもある。

 アルツハイマー症が発生するとこの

情報収集、保管機能の一部または全部

の能力を失う。

 かたや度忘れは保管されている情報

を取り出す機能の減衰である。この機能

も勿論脳にあるが、海馬とは違う脳の

部分が司る。

 海馬に隣り合わせる部分がこの仕事を

するが、その機序の解明は極めて困難で

ある。

減衰とは機能の低下であり、消滅は

トラブルなので、減衰が消滅に至ること

はない。

 例えば歩くのが遅くなった。たまに

つまずくことがある。または老眼になった。

耐久力がなくなった。このような現象が

減衰なのだ。

 だから歩けないわけはないし物をみること

が出来なくなったのでもない。

 ある瞬間人の名前が出て来なくなったり

するが、何かの拍子に突然思い出す。

 数字や英語の単語などは比較的度忘れの

割合が少ないがこれにも訳がある。

 海馬にある情報は無数であるが、欲しい

情報はその中のほんの一部だ。それを無数

の情報の中から選り分け取り出さなくては

ならない。

 そして数ある情報の中からある一部分を

取り出すにはそれ相応のスキルと能力の

大きさが要求される。だから能力の低下は

筋肉の衰えや血液、酸素不足で起こる。

 人の脳にはどれだけの情報が詰まっている

のかは数えられないが、生まれてから今まで

インプットした情報にはどんなものがあるか

考えてみれば分かる。

 学校では勉強をある程度は誰でもしたし、

日常の生活の中でもそれこそ訳が分からない

くらいの情報量が海馬に詰まっている。

 その中からどのように今欲しい情報を抜き

出すか、この機能の解明も容易ではないが、

情報を貯める機能とは明らかに違う。

 それは前頭葉にもあるだろうし、大脳皮質

にも備わっていると考えられる。人は脳を如何に

活用するかで、人生が変わるのだ。

酒巻 修平

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