グーグルの堕落あるいは無知

グーグルは二人の人物で始められ急速に発展した会社である。今や世界に冠たる組織で事物の検索ツールとしては最高と言える。

だが組織が大きくなるに従って従来の目的が達せられると違う分野にも進出したくなるのは人間の常で、グーグルも例外ではない。

検索エンジンとしての役割の外に多種類の仕事をこなしているグーグルであるが、我々が日ごろお世話になるのは検索ツールとしての利用が多い。

だが目的とする検索対象の重要性を具体化するシステムが達成できていない。すなわち単語をコンピューターで追いかけはできても文章や書かれた全体の重要性については到達できないのだ。

ここに人の頭脳とコンピューターの仕事の相違や優劣が生じる。コンピューターの一番の利点は速さと正確さであるが、深さがないのだ。

人の頭脳はそれに反して深さや創造性がある。コンピューターができない情報の自動的な収集を人は行いそれを加工して思考をしそしてついには創造に達することができるのだ。

コンピューターは人がやったことの後追いでしかない。グーグルを運営している人たちはこの事を理解しているだろうが、コンピューターを使っての作業はどうしても限界があるのだ。

だがグーグルはコンピューターなしでは作業を行えない。どうしても欲しい情報を与えるには不足するところが出て来るのだ。

歌を習いたいとする。グーグルが検索エンジンで与える情報は単語や内容の多さを元にしているので、優秀な先生を見つけてくれない。

トップページに出て来るのはほとんどが学校や教師紹介事業者だ。何故なら多くの教師が登録していてその情報がグーグルの意向をある程度反映しているからだ。

だがそんな教師紹介サイトに出て来る教師は2流以下だと思われる。本当に優秀な教師はサイトの立ち上げもしないからそもそもコンピューターに引っかからない。

世の中には隠れた人材がいるものだ。テレビに出演する人はそれなりの能力があるのだろうが、最高かどうかは分からない。

隠れた人材の中にはそんな有名人以上に優秀な人がいるはずだし、私はそんな人を何人も知っている。

グーグルはそんな人を発掘できない。便利ではあっても所詮はinformation を与えてくれるに過ぎない。欲しいのはinformationではなくintelligence、すなわち機密、内部情報の類である。

そうしてグーグルは自然と堕落していき、本当に欲しい情報を与えてはくれない。それはまた日本という国の在り方もある程度無視している。

一般大衆が求めているのは遊び感覚であり、真剣に何かをやろうとすればまた違う方法を模索しなければならないのだ。

テレビ、新聞から受ける情報は記者が足で稼いだものだ。だが局や社の方針で歪められ本当の情報が入ってこない。

記者がいくら優秀でも彼らは雇用された人たちだ。社や局の命令に従わなければ職を失う。局の大切なのは視聴率であり、新聞社がやりたいことは購読者数の確保、増加である。

こうして本当に欲しい情報はグーグルからは出て来ないし、マスメディアも期待できない。どこかにそんな情報はあるだろうが、それを探し出せるのは偶然か弛まぬ努力しかない。

そうだとするグーグルの利用は目的に到達するステッピングストーンである。だがグーグルは便利な検索ツールであるのは間違いがない。

そのうち文章全体の評価をできるシステムが開発されるかも知れないが、相当先だろう。

現在は情報社会と言われているが、そんな情報はほとんど役に立たないのを覚えておいた方が良いのではないか。

酒巻 修平

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