金持ちあるいは経済的に余裕のある人の行動

これはさる大学病院の看護婦長から直接聞いた話である。その病院には入院一泊10万円の個室が幾つもあるのだが、そこに入院している患者がどのような考えをし、どのような行動を取るのか興味深いので書いてみた。

仮にその婦長(今は師長と言うらしいが政府の馬鹿らしい呼び方をするつもりはない。即ち女性の看護師の長である)をKとしておこう。

Kは自分の仕事を天職と考え婦長になるまでは1週間に2度ほど夜勤もこなしていた。収入は多くそれを使い切れないし、お金に対してもあまり興味がない。普通の生活を営めばそれで充分という考え方の人だ。

K の部下の看護婦がときどきミスを犯すので、10万円の個室に入院している患者の看護状態には特に注意する必要がある。

ある日Kがある入院患者の部屋を訪れると「何しに来たんだ」という質問を投げかけられた。Kはこんな患者の思考方式をもう熟知していたので、「看護状態を再確認するために来ました」というと「ああ、そう。よろしく」との返答であった。

 同じ患者の部屋にある日教授回診があり、何人もの医師がその部屋を訪れた。患者は例の如く「何しに来た?」と問う。教授の助手の一人(教授は威張っていて自分で要件を放さない)が「教授回診です」と答えると患者は「そんなもの何の役にも立たない。早く帰ってもらいたい」と相手にしない。

K 曰く。「10万円もの部屋に入院する患者さんは論理的にのみものを考え、行動に移す。教授回診は病気の治療に何の役にも立たないから受け付けないのです」とのことだった。

10万円もの費用を払うのだからその患者は金持ちに違いない。金持ちは情緒に溺れず不必要なものには見向きもしない。というのがKの観測である。

因みにその病院では一回10000円を支払うと診療までの待ち時間をほぼ0にするコースを作った。これは待つのを嫌う外来患者のためだが、今はとても利用者が多いそうだ。これも金銭的に相当余裕がある人のためだろうが、この病院は経営が相当上手い。金持ちがどのような要求を持っているかを熟知し、その対策を立てているのだろう。

 裕福な患者側から観察すると金を余計に払っても不必要あるいは非合理的または意にそぐわないことをしたくないのだ。逆から考えるとこんな考えで行動することによって収入が多くなったとも言える。

こんな話を聞いた。ある患者(10万円の個室を選ぶ患者ではない)が若い看護婦に「胸を触らしてくれ」と言い、頻繁にそのような要求を受ける看護婦がKに訴えた。Kはそのことに解決のためにその患者の妻にその旨を伝えた。患者は「俺が離婚したらお前の所為だから訴訟してやる」というのだそうだ。Kは勿論「どうぞ」でことをすませた。

これなどは典型的に営んでいる事業がどこかでおかしくなる例だとKは話す。私はなるほどと感心するのだが、次のようなことを今度はある居酒屋のオーナーから聞いた。

そこには最高3300円のランチがある。量は多くないが上質でファンが多いのだが、それをランチに食べる人にも面白い行動様式があるというのだ。

 ときはランチタイムである。次から次へ人が入ってきて店側も入店できない人に今は満員であると仕方なく断ることがあるそうだ。

3300円のランチを食べる人は当然そんな店の状態、混み具合が分かっていて10分くらいで食べて立ち去るのだそうだ。

反対に一番安い650円くらいのランチを注文する客は1時間くらい席を占領して後から入ってきた客のことなどは頓着しない人が多のだそうだ。おまけに「お水を下さい。お茶をもう一杯」とか要求が多いのだそうだ。そんな人が出世したことを聞いたことがないと店長は言う。

 どうも収入が多い人(多分会社を経営している人だろうが)の行動パターンは合理的かつ状況判断がきっちり付けるということだろう。

 もちろんそんな人は生まれつきそんな性格を持っているのかも知れないが、努力次第では同様な言動を取ることができると思う。

酒巻 修平

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