法律は増える一方、行政はどうするの
国会が開催される度に法律ができてゆく。国会は立法府だから法律を作るのが義務であるからそれは当たり前だが、考えさせられることがある。
どんな物事で作れば増える。とすると法律は年ごとに増えていく。ではその法律を施行するのはどうするのか。急速に増加していく法律を施行するにはより多くの行政府の担当者が必要にはならないのか。
このまま放置するとそのうち国民の大多数が行政府の官僚になってしまわないのか。これは何も国だけの問題ではない。地方自治体も立法をしているからそちらの行政担当者の数も増える道理だ。
今では必要がなくなった法律はないのか。立法府に対して消法府というか法律を失くす国家や地方自治体の機関は必要ないのか。
国会も行政も国民生活に本当に根差している考えがないように思える。私は自動車運転免許証を取ったとき筆記試験合格のため、六法全書まで引っ張り出して勉強をした。
お陰で100点満点を取ったが考えれば当たり前のことで車という危険物を運行させるのだから全ての規則を頭に入れなければならない。
しかし受験者約650人のうち満点を取ったのは3人だけだった。ではあとの人は運転規則の一部を知らないで運転をしているのだ。
そして私も改正された運転規則の全てをもう知らないだろう。即ち法律は複雑すぎるのだ。それにシートベルト着用など運転して事故を起こし誰かを怪我させるのを防止するのとは関係のない制度もある。
法律は常識で考えれば大体分かるものだが、その常識で測れない法律もこのように存在している。だから弁護士や会計士が必要になってくるのだ。
警官もそうだ。刑法を犯す人間がいなければ警官は必要なくなる。警察官は何十万人も存在しているからその人が他の仕事に付けば少しは必要な労働者が確保できるのではないか。
悪人はいなくなることはないが道路交通法を全て守ることは不可能だ。それを強く追及し罰則を加える。その爲の警官が必要だ。
どこかおかしくないだろうか。民主国家では政府は国民のために存在している筈である。それが色んなところで歪んでいる。
ところで野党は与党の国会運営に対してご意見番である。だから新しい法律をつくるときには大いに意見を言い、不適正な法律を与党が制定しようとするのを阻止する運動もする。
ところが不必要になった法律を失くそうという運動はしない。例えば相続税法である。相続税は日露戦争の戦費を賄うために新設された法律である。そうすれば日露戦争の経済的影響がなくなれば廃止すれば良いのだが、それは今も存続している。
諸外国の全てを調べた訳ではないので、偉そうなことは言えないが例えばスイスなどには相続税がない。それにこの税は二重課税になっている。収入に対して一度税金を払えばその残りが財産として形成される。それにさらに税が課せられるのは政府側の横暴である。
共産党などもこのことには触れない。日本は民主国家と言っても本当の意味ではそうとは言えない。政治家、官僚が自分たちのために国家を運営していると思われる部分が多い。
郵政民営化、国有鉄道民営化のように国家運営も民政化すればいかかだろうか。JRのようにあっと言う間に国家財政が黒字化すること必定である。
我々選挙民は法律に詳しくない。しかしこのような二重課税の問題などは簡単に分かる筈だ。国家は二重課税などをせずに堂々と課税率を上げれば良いのではないか。そうしないのなら国家や政府にクレームするべきだ。
ある税を廃止し他の税率を上げれば人気がなくなり国民の支持が下がると見ているのだろうが、長い目で見ればその方が国民の支持を得られると思う。
酒巻 修平