結婚制度、不倫、売春

生物とは自己複製をする系である。この定義が完全であるかどうかは争いのあるところであろうが、間違いなく生物は自己複製をする。

 自己複製をしなければ種としての存在を保つことができないのでとても大切な行為である。神様は大きな快感を与え、それを持ってその行為を奨励されているのである。

 人はもちろん生物であるから自己複製をするための行為を行う。人の脳は進化の過程で他のどんな生物よりも増大した。したかった本能である食欲、睡眠欲、性欲と同様に脳を使うことを快楽としているが、他の生物では種の保存をするためだけに生を全うしているように見受けられる。

 生殖活動をするためには自分自身が生を保たなければならない。従って人以外の動物は一日中食べるための行為を行うのは日常目にする光景である。

 人は脳が発達し過ぎた故に種々のことを考える。その結果が社会の形成である。文化が花開き、戦争も絶えない。

 そんな中で生まれたのが結婚制度である。結婚制度には色々な利点があり、大半の人はその利点を利用するために結婚をしてきた。そして今もこの制度は維持されている。

 しかし生物としてこの制度は利点以外に欠点も矛盾も含んでいる。そんな結婚の悪影響を人は理性で克服してきた。

 しかし理性は本能に打ち勝つことができない。短期的にはそんなことも可能だが長い目で見れば本能が理性を打ち破るのだ。

 結婚制度は一対の男女がそれ以外の男女と生殖行為をすることを禁じることが条件となっている。イスラム教は例外だがそれ以外の宗教を奉じる人々はこの要請を受け入れなければならない。

 しかし本能は理性で築き上げたこの制度を守ることを欲しない。ここに最大の悲劇が存在する。特に男性(雄)は種保存本能に基づいて多数の女性(雌)と生殖行動をすることを欲するものなのだ。女性にもこの本能が備わっていることは否めないが、男性ほど強くはない。

 これが不倫の分析である。この本能を理性で押さえられない男女は結婚生活に大いなる支障をもたらす。文化の象徴たる結婚生活はそんな意味で現在大きな過渡期を迎え、そして実際上存亡の危機に瀕している。

 結婚した男女が結婚契約を破棄する(離婚)ことが多いのは本能に赴くままに行動することばかりが原因ではないが、それが大きな部分を占めるだろう。

 神様はどうして女性にそれを甘受させる能力を身に付けさせなかったのか。神様の行動にも色々ミスが目出すがこれも神様の大きなミスだろう。あるいは巨大化し過ぎた人の脳がこの悲劇をもたらすのか。

 生物は自己複製する系であるとするなら自己複製行動を止めてしまった個体にはもう役目はない。人は別として生物ではそんな能力を失った個体には死が近い将来やってくる。

 人は巨大化した脳があるからそれが理由の死から長期間永らえることができるが基本的には他の生物と同様、生殖活動ができるかどうかがその個体がどれだけ長く生を保てるかに掛かっている。

 平安時代には今のような結婚生活はなかった。貴族の男性は好めばある特定の女性と生殖活動を行ったが興味を失うとその女性から遠ざかり実質結婚生活には終止符が打たれた。

 それが理想の結婚制度かどうは種々に意見があるだろうが、当時社会が認めた結婚制度であるには違いない。

 また結婚制度を享受できない若者や弱者には小さな金で女性を一時的に得て生殖活動という本能を満たすことができた。これが売春制度である。

 そうであるから売春は職業の中では一番古いものであると言われる。この職業は人に生殖活動という本能がある故消滅はしないだろう。

酒巻 修平

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