会社継承の税務知識

 会社の利益が多く余剰金が多額に積みあがっている会社の社長兼オーナーが死亡すると一緒に仕事をしていた子息は会社の株式を相続することになります。

 こんな例がありました。ある会社の株式総額は1000万円です。ところが余剰金が30億円もあるのです。そうすると相続財産は時価評価で株式だけでも30億あることになるのです。

 この30億円は税引き後の余剰金が積みあがったものですが、国はそれに更に相続税を課すのです。これは二重課税と言ってアメリカやヨーロッパにはない税制で、全く不当であるのは言うまでもありません。

 この会社の亡くなった社長の息子さんはこの30億円に対する税金を支払われなければならないのですが、個人では到底支払える額ではありません。幾つかの銀行に借入を申し込むと一行だけ、融資をしても良いという銀行がありました。

 これは個人での借り入れです。条件に従って返済しなければなりません。しかし30億円をどのように返済するのか方策は考え付かないのが普通です。もちろん会社は利益が出ているので、会社から借りることもできますが、今度は後継者の個人が会社に返済しなければならなくなります。

 この後継者の収入はいくらか聞きませんでしたが、適宜な時期にこの30億円を返済できるほど個人として収入があるはずがありません。結局この後継者は銀行への返済が滞り、会社もおかしくなったのです。

 これでは国の税制はあまりに不当です。各所から国に数多くの苦情が寄せられ、ついに国はある一定の条件を満たせば、この30億の税金の支払いを一時停止しても良いという制度を作りました。

 確か平成21年頃と記憶していますが、やっと不当な税金の徴収システムを改めたのです。しかし税務調査の時にはこんな制度があるということを税務官は言いません。彼らは実際にはできるだけ税を徴収するノルマを持っているのです。

 しかし税務調査は税の申告が適正なされているかどうかを調査するものです。これだけを聞くと「そんなことは分かっている」という社長さんが多いでしょうが、多分誤解されていると思います。適正ということは税の納入が過不足なくされているということで、不足だけを言っているのではありません。

 過剰に納入していればそれも調査し、会社に言って上げなければならないのです。この相続に関わる税の支払いについても上記の会社の後継者に税務署は調査の時に言って上げるべきなのです。それが公平で適正な税の考え方です。

 しかしそんなことは国側に取って税をできるだけ徴収するという目的に外れるので、言ってくれる訳がありません。黙っていて税を調整するのです。

 逆にある個人の収入が「おれおれ詐欺」から得たものであっても、税がきっちりと支払われていれば税務署は警察には言いません。官吏は本来犯罪を発見した場合は警察に通報する義務があるのですが、そんなことはしません。税が取れれば良いという考えだけを持っているのです。

 しかし顧問をしている会計士なり、税理士はこの相続税対策を知らないことが多いのです。国はそんな制度を創設したのですが、度重なる苦情に対応するために仕方なくやっただけなので、この制度を実は使って欲しくないのです。それにこの制度はまだ新しいということもあって、税理士さんなども知らないという状況です。

 日本という国は良い国ですが、もちろん欠点もあります。それは国が狡いということです。税務官は嘘を言うし、無知な経営者からは不当と分かっていても税金を徴収します。彼らは仕事を一所懸命やるので、その範囲では働き者ですが、人として掛けている点が大きいと思わざるを得ません。

 それに二重課税の多いこと、驚きです。消費税がガソリンの購入金額全額に掛るのもおかしい。ガソリンには53%くらいのガソリン税が掛っているのですが、この税金にもまたさらに税金を賦課します。ドイツではちゃんとガソリン税を抜いた金額に対して消費税を徴収します。それが正しい税の考え方です。

 先ほどの相続税もそうです。相続する財産はすでに納税した後に残ったものなのに、税金を掛けるのです。相続税は日ロ戦争の戦費を賄うために当時新設された税なのに、今に至るまで廃止しないのです。このような二重課税は枚挙に暇がないほど多いのです。

 ですから欧米には相続税はありません。日本で3代続くと資産がほぼなくなる所以はここにあります。こんな二重課税を唯々諾々と受け入れて良いものでしょうか。しかし国を相手取って訴訟を起こしても勝てません。日本には三権分立は成り立っていないのです。

 元々江戸時代より国民は搾取する対象であったのが、いまだこの意識は国、政府に残っています。普通選挙法が施行されている関係で少しは改善されましたが、税の支払いでは国はどんな税法を作ろうが勝手だと思っています。現にある議員が税は国の恣意的な考えで徴収すると言っていました。

そもそも消費税という言葉自体がまやかしです。消費税とは消費者が物を購入した時に支払う税金ですが、会社同士の売買で消費が関係しない売上にも課税されます。ヨーロッパの消費税は全てそうで、日本の消費税はまやかしなのです。日本の消費税は売上税というようなものです。

 今度その消費税の率が10%に引き上げられる可能性が強いのですが、これはヨーロッパやアメリカの消費税と比較すると5,6%も多いので、日本の消費税額はヨーロッパなどの基準に照らし合わせると15,6%になります。このように日本の消費税は非常に高いものになっているのは念頭に置くべきなのです。

 印紙税も日本と韓国にしかない税金です。韓国は日本の真似をしただけですから、実際は日本の馬鹿らしい税金と考えて良いでしょう。先日取材と偽って財務省に電話をしたら、この税はおかしいと電話に出た人が話しましたよ。それはそうでしょう。国が何の関与もしない私的な書類の発給をするのに税金を支払えなど、噴飯ものです。

そのように国は汚い手を使って税金をできるだけ多く取りたい正義のない団体と言えます。それであれば納税者側も対抗しなければなりません。優秀な税理士に頼んであらゆる面で税の支払いの適正化を図らなければならないのです。

税務調査や税の支払いは税理士だけでは心許ない時があります。法の解釈に不足があるからです。そんな時は弁護士に相談すべきなのですが、弁護士は税の解釈のプロではありません。

経営者自身が税理士、弁護士などの意見を聞きながら対処するのが、一番良いのです。これは簡単ではありませんが、こんな薄汚い国と対応するにはそれ相応の覚悟が必要です。

会社を運営するには経営者はいつも勉強しなければならないのです。

酒巻 修平

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