無駄使いと贅沢

 生きてゆくにはどうしてもお金が掛かります。そしてそのお金は無限にある訳ではないので、使い方によりお金が生きたり、死んだりします。

 お金には色があるとビジネスの社会では言い、それぞれに使い方により予算が決められているものです。交通費、事務用品費、給料、宣伝広告費などですし、個人的にもそのように色分けしてお金を使っている家庭も見られます。

 お金の価値に対して効果が0に近いものは無駄遣いで、これはあってはなりません。テレビをつけっぱなしにするとか、買ってきた食料品を腐らせてしまうなど、お金は掛るがそのお金の価値が台無しにしてしまうのが無駄遣いです。

 一方贅沢とは養殖の魚を買わず天然物を買ったりして、少し金額が張るがその分使用価値が上がる使い方です。

 金銭的に裕福でない人に限って無駄遣いをすることが多いと見受けられます。私はビジネスを営んでいた関係でそんなことにとても注意を払っていました。

 ある日、営業マンの名刺を見ると5色刷りなのを発見して、こう言いました「もし、こんなお金が掛かる名刺を使うと売上が上がるのなら、10色刷りでも良いが、絶対にそうはならない」。

 名刺は一種会社の看板のようなものです。ある程度デザインが良くないと、会社を軽く見られるのでその程度の配慮は必要です。しかし5色刷りは必要のない無駄使いでしかありません。

 またこういうこともありました。会社は渋谷にあったのですが、近所のガソリンスタンドで給油すると3割ほど高いのです。ところがその営業マンはそこで満タンに給油をするのです。

 理由を聞いてみるとガソリンがなくなったから、仕方がなかったというものでした。でも郊外まで営業に行くのだから、都心では最小限補充して、郊外で入れれば安いではないかと注意したことがあります。

 二つの例は同じ営業マンが関係している件ですが、その人にはボーナスが少なかったものです。

 逆に私はできる限り高給を支払わなければならない人を雇用するようにしていました。ある人はこの会社の経理をこなすには3人の経理事務が必要だと言い、もう一人の人は何も言わず一人で全てやってのけました。この人を責任者に付け、最初の人の5割増しの給料を支払ったのです。最初の人は会社を辞めていきました。

 私は若くて貧乏な時からそんなことを念頭にお金の使い方をしていましたので、贅沢もしましたが、案外無駄使いはしませんでした。

 一度上記経理の責任者(女性)に叱られたことがあります。それは公園で出会った路上生活者に有り金全て(たった6000円です)を上げてしまったことです。それはやり過ぎで無駄だとその経理の女性は言うのです。

 これは無駄使いか贅沢がいまだに分かりません。女性曰く、そんなお金をその人は一晩で飲んでしまう。そんなことも分からないのかというのです。

 贅沢は余計に使った金額に対して使った分だけ価値が増えることを指します。約30前に何着か背広を結構な金額を払って誂えましたが、それらの背広はいまだに使っています。見る人は新品のようだと言ってくれ、愛用しています。

 無駄使いはしていても気が付かないことが多いようです。寒い日買い物から帰ったらまず暖房を点けますが、人によっては買ったものを先に整理します。でも考えたら、機械は自分で働くので、先に暖房を点けてから買ったものを整理する方が時間の無駄がありませんし、整理が終わったころには室内は温かくなっているでしょう。

 お金に付いて人は充分注意していることが多いので、割合無駄使いが少ないのですが、時間の無駄使いは溢れています。いつも忙しいと言っている人はどこかで時間の無駄使いをしていると考えられます。

 ただ権威を象徴するために「忙しい」と言っているのはまだ可愛いものですが、会社での地位が高い人は本当に忙しそうです。それは時間の使い方に問題があるケースが多く、それは改善を要します。

 地位の高い人は一般に能力が高い人です。その人でなくてもできる仕事は部下のまだ比較的能力が低い人に任せるべきです。しかし自分で仕事を抱えて離さない例が多く、見ていると滑稽です。これも無駄使いの最たる例でしょう。

 会社から電話を掛けるとき、よく使う電話番号は数字で管理されていることが多いようですが、数が限られているし、数が多くなるとそれも覚えなければなりません。電話番号は考えても答えは出て来ません。番号に論理性がないからです。

そんな時は時間を掛けてでも番号を暗記すべきです。一度暗記した番号に掛ける時には電話帳などを使う必要がないので、必要時間が短縮されます。

 このように考えるとお金に付け、時間に付け、無駄使いをしている人は頭を使わない人です。頭を使わない人は収入が多くありません。だからお金に余裕がなくなるのです。

 無駄使いを省いて余った時間を贅沢に使って見て下さい。何が贅沢かはその人の感性によりますが、贅沢は言葉が良くありませんが、心を豊にします。

酒巻 修平

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