人体と防腐剤

 植物も動物も外界の物を摂取して体を常に更新している。これは新陳代謝と言われる活動で、新陳代謝の終了が死である。

 心臓や肺の停止を以て医師は死亡と診断するが巷では心肺停止事案が多く発生していてその後蘇生しているのは誰もが知っている事実である。

 イギリスではそんな事案に対してすぐには荼毘あるいは埋葬していはならないとする法律があり、実際過去には埋葬後何日もして墓穴から救出された例も多い。

 植物は根から水分を含む栄養素を吸収し、炭酸ガスなどを取り入れて酸素を輩出する。炭酸ガスはCO2で酸素O2であるから、多い量を摂取し、少ないものを排出する。だから植物は枯れない限り大きく生育し、何千年もの寿命を持つものもある。

 だが空気中に植物に取り有害物質があれば順調な生育が妨げられるだろうし、枯死する可能性すらある。

 動物と植物の違いは何と言っても可動性があるかどうかだろう。動物は食糧を求めて移動することができるので食糧の種類は多い。

 肉食動物は主に草食動物を餌にして生きている。従って生存の可能性が低くなり、個体数は草食動物に比較して極端に少ない。

 草食動物は植物を食料とする。根はまず食糧としないので、翌年も植物は生えてくる。だから草食動物は生存の安定性は高い。自然にそうなったのだろうか。

 人類がもともと草食動物であったか、肉食動物であったのかは定かではないけれど、現在の人類は雑食である。

 人に取って食料となるものは全て自分以外の異物である。それを消化器官が処理をして分解し、人体を構成する材料にする。

 動物は酸素を吸って炭酸ガスを排出する。従って植物とは異なり、食べ物を摂取しないとだんだんと体は小さくなるだろう。だから食糧を取り込み、生を保たなければならない。

 人はただ黙って座っているだけで体重が減るのは呼吸によるものである。30分くらいで100gくらい体重は減少する。

 食料は異物であるから、有益でもあるが害も与える。だから絶食するのは病気の治癒に効果的だとの指摘もある。

 摂取した食糧は胃や腸を使い有害なものは腎臓や肝臓で無毒処理される。食べるという行為は胃腸、腎臓肝臓に負担を掛ける行為だ。

 害がある物質を過剰に摂取すると腎臓肝臓が悲鳴を上げるだろう。過剰労働になっているのだ。

 ほうれん草にはシュウ酸が含まれこれは人体に悪影響を与える。だが含有量が許容範囲であるため、我々は食べているのだ。

 牛、豚、鶏にも人体に悪影響を与える物質が含まれているが、含有量が許容範囲であるため、我々は食糧にしているに過ぎない。

 野生の草を牛が食べているころ、その牛は人体に有害な物質は含まなかったように思われるが、今、牛の健康や肉質の向上のため色んなものを与えているので、全くの無害な食品ではないだろう。

 人が摂取している食品には有害物質が必ず含まれる。薬もそうだ。人は有害な物質を毎日摂取しながら生を保っているとも言える。

 さて食品添加物であるが、これは人工のものである。元から自然にあったものではないので、人はそれを栄養素にはできない。

 人工物は腎臓や肝臓で処理され放出される。だが添加物は食品、例えば肉の腐敗を防止する役目がある。

 それでは添加物は人体の腐敗を防止しないのか。人は生きている限り腐敗菌が人体を腐敗させることはないが、悪影響は与えるだろう。

 腐敗菌は老化に一因になる。もし食品添加物が肉の腐敗を防止するのなら、人体の肉の腐敗も防止するはずだ。

 そして人は老化速度が鈍りいつまでも若々しくあるのではないか。そんな疑問がふと脳裏を過った。

 そう言えば最近の人は誰もが一昔前の人と比べると10歳は若く見えるし、実際若い。これはもしかすると食品添加物の効果ではないか。

 だがこの添加物の悪影響も忘れてはならない。それは癌を引き起こす可能性があるということだ。

 毎日摂取している食品添加物を腎臓肝臓は全て除去できないだろう。人体に残った添加物は身体を若々しく保ち、そして癌の発生を促している。

 これを一笑に付すのは容易いが、上記の可能性を追求した学者はいるのだろうか。学問はミクロに走り易く、マクロは簡単には追及できない。

 マクロな状態の研究には長い期間追跡調査をしなければならないし、そんな研究費は出て来ない。手短にラットを使って実験ができるだろうが、人は他の動物とは全く違う。

 ネギを猫や犬に食べさせると彼らの血液を破壊すると言われているが、人ではそれは血液がさらさらにさせる。よく似た現象だが、効果は全く別物だ。

 人体のマクロの研究はほとんど行われていない。塩分、水分、砂糖、アルコール、過食少食、太陽光、風、寒さ、厚さ、薄着厚着、冷房暖房、畳フロアリング、木造鉄筋、睡眠時間、コンクリートー森林、運動、低体温高体温、脳の使用法、歌唱、諍い、そんな事物が人の体にマクロ的にどのような影響を与えているかを我々はまだ知らない。

酒巻 修平

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