ジェネリック医薬品

 医薬品を保険適用の認可を取るには長い過程を経なければなりません。開発、動物実験、臨床実験、特許取得、販売許可、保険適用などの業務は医薬品製造会社に取って時間と資金が膨大に必要です。

 それに優秀な開発技術者も必要です。新しい医薬品を開発するのはそれだけの能力を必要としますし、そんな人材が簡単に見つかるとは思えません。メーカーの開発部員でも開発ができない人も多いのは想像に難くありません。

 そうして保険適用が認可されると、特許が有効な期間その医薬品の販売は大きな利益を上げることができますが、必要資金の外に考慮にいれなければならないのは、開発に成功しなかった医薬品です。

 その数はどのくらいあるのか想像もできませんが、そう少なくはないと思われます。費用と時間(人件費)を掛けて行う新しい医薬品の開発は会社の命運を掛けていると言っても過言ではないでしょう。

 特許期間は15年。開発専門メーカーはその期間が短すぎると考えているでしょう。それは当たり前で、自社が開発した医薬品をいとも簡単に真似て販売するのは資金量も少なくて済むし、時間もそう掛かりません。販売許可や保険適用はすぐに認可されるでしょうし。

 そこで新薬開発会社は考えます。自社の先発品とジェネリック(後発品)と性能を違えたい。難しそうに思えますが、これはそう難しい作業ではないのです。

 特許を出願するには多くの種類と実験が必要ですが、書類上の成分の配合を少し変えておけば良いのです。ある特定の重要だが配合量が少ない成分を特許出願書類から抜いておくとそれで終わりです。

 どうせ特許庁は書類審査しかしないでしょうから、どんな成分が含まれているか、自分たちで分析するはずもないでしょうし、分析する方法もありません。

 ある特定の成分が入っているかどうかはガスクロマトグラフィーなどを使用すれば検出が可能ですが、どんな成分が含有されているか、全てを検出することは不可能です。だから一つの重要だが少量しか含まれていない成分は特定しないと検出できる訳がありません。

 喘息の発作予防のための医薬品にグラクソ・スミスクラインというイギリスの大メーカーが開発したレルベアという吸入薬があります。他社が開発した同種類(ジェネリックかどうか、イギリスの事情は知りませんが)もありますが、比較すると薬剤効果が格段に違うのです。

 レルベアは薬効が素晴らしく、予防薬とは言いながら、発作が起きてもこれを吸入すると5分くらいで発作が収まるのです。

 その違いの原因はどうも添加薬剤の違いにあるのではないかと見ています。この医薬品はステロイド剤と気管支拡張剤の合剤で、ステロイドを気管支に吸着させるという考えに特色があります。

 ステロイドは副作用が強く、飲むと血管を通じて全身に回っていきます。長く使用するとその副作用で種々の悪影響が報告されている使用注意の薬です。

 ところが吸入するというのはこのステロイドを塗るというだけで、使用部分は気管支に限られるという点で画期的な薬法なのです。ですがこの薬は気管支に付着する効率が良くないと効きません。

 その点レルベアは優秀なのです。グラクソはその添加剤の成分の全てを明かしていないのか、他剤とは違うように思うのです。レルベアが先発剤とすれば他社の薬は後発品ではないかとも思っています。

 これは極端な一例ですが、どの後発品も多かれ少なかれ同じような状態にあると考えなければならないと思います。

 後発品は開発費用や時間など先発品と比較して格段に少なくて済むので、薬価が低い場合が多いようです。極端な場合は先発品(純正品と呼んでも良いと思います)と比較して半額というのもあり、この場合は使用することも検討の価値があるでしょうが、それでも注意が必要です。

 バルトレックスは性器ヘルペス用医薬品でやはりグラクソが開発しました。しかし後発品と比較すると薬価が倍くらい高いのです。こんな場合は医師あるいは薬剤師と良く相談の上、使用しても良いか検討すれば良いでしょう。

価格差が10%くらいであれば敢えて後発品を使用する意味があまりないと考えますが、政府は少しでも健康保険の負担を少なくしたいので、後発品の使用を勧めています。

 しかし上記のことを考えると後発品の使用は良く考えてからした方が良さそうです。私は後発品を一切使用しません。

酒巻 修平

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