相性の見極め方

 ひと昔、ふた昔前まではお見合いという結婚相手との出会いをアレンジしてくれる人がいました。責任感の強い人なら互いの相性を考えて見合いの相手を探してくれたものです。

 ただこれでは心時めく恋を経験できないので、恋愛結婚が主流になるころ、見合い結婚は自分を少し卑下したものでした。しかしこの制度が良いのは男女の相性が良い場合が多く、離婚率が低いことです。

 知り合いの医師は「自分の人生における最大の間違いは今の女房と結婚したことだ」といつも不平を鳴らしています。これではその本人だけでなく、その人の奥さんの人生も詰まらないだろうとつい考えてしまうのです。

 とは言っても離婚しないので、相性は口で言っているほど悪くはないのかとは思うのですが、しかし他人にも訴えるように話すのにはどこか夫婦生活が面白くないのでしょう。

 では一体夫婦の相性とはどんなことを言うのでしょうか。どうあれば相性が良いのか、結婚前の人は考えておくのも何かの役には立ちます。琴瑟相和すというほどでもなくても、相手の顔も見たくない、あるいは子供のために離婚はしないが、家庭内別居ということが起こらないようにしたいものです。だから相性を考えることはとても大切なことのように思われます。

 相性とは総合的な判断から成り立っているでしょうが、そんな直観だけではなく、総合判断プラス分析判断も必要なのに違いありません。その辺を見てみましょう。

 最近はアメリカの影響で人生の一番大切なことはお金に関することのようになってきました。だから結婚生活でもそうだろうと推測します。相手が大金持ちの家庭の人、こちらは貧乏人では何となく生活習慣、考え方、買う商品の質、節約浪費、そんなことに大きな違いが出てくるように思えます。

 例えば質の良い洋服を買えば見栄えも良くて長持ちがするので、結局得をするものでしょうが、貧乏な家庭に育った人は長期的なビジョンでお金を使えません。余裕がないからです。この人たちが結婚すると妻はいつも質の良い服装をしているし、夫は粗末な背広で我慢するということが起こります。

 これでは家庭内には二つの文化が並立するようで、破綻に至る確率が高くなる傾向にあるでしょう。同じレベルの生活を両親が送っていた方が夫婦は上手くいきそうですね。

 次には両親の職業です。サラリーマン家庭では父が周囲の状況に合わせて、考え方、行動の仕方を強いられます。またこれが社会の常識でもある訳です。

 しかし会社の経営者はこれでは会社を潰してしまいかねません。自分が信じたことを躊躇なく実行することが要求されるのです。だから社会通念と違うことを行うことも多いと思われます。

 子供は両親を見て育ちますので、自然に両親の考え方や行動パターンに似てきます。サラリーマン家庭と経営者の家庭。夫が独立しようとする時、サラリーマン家庭に育った妻は反対するでしょう。

 独立すると経済は不安定になります。サラリーマン家庭に育った人はこれには耐えられないでしょう。結婚は駄目かも知れません。

 頭脳の差も大きな要素です。妻が科学のことを考えるのが好きで、テレビには興味がありません。夫は女性タレントに興味津々でタレントが誰と結婚したかに関心がある。こんな家庭では会話が少ないが、衝突を繰り返すでしょう。「あなた、そんな馬鹿らしいテレビ、どこが面白いの?消して頂戴」。そんな諍いの声が聞こえて来そうです。

 スピート勘は案外気が付かないポイントです。ゆっくりと物事をする人とせっかちな人では協働作業、例えば一緒に外出する時はすぐに諍いが起こりそうですね。

 芸術家っぽい人と科学者っぽい人でも話しは合いません。芸術は創造を元にしていますが、科学は思考、分析によって成り立ちます。ですが、話しは合わないでしょうが、ある程度の域に両者が達しているとお互いを尊敬し合うこともあるでしょう。この場合は相性が悪いとは言い難いように思えます。

 しかし一人が日曜画家、一人が会社の一研究者の場合などは問題が発生しそうです。綺麗好きと無頓着な人もどうでしょうか。お客さんが来るというので急に掃除を始める妻を見て、夫は嫌気が射さないでしょうか。

 食べるものや色彩その他の好みが違い過ぎるのもどうかと思います。柔らか目のご飯が好きな人と固めが好きな人。どうも合いそうにありませんね。

総合的に一番心配なのが、お互い相手が考えていることを分かっていない場合です。この人は将来こんなことをするだろうと考えても、相手は違うことを考えている。黄色が好きだろうと思っても、実は赤が好きだとか共同生活の相手の考えが分からないと最悪です。

 しかし全てに相性が良い筈がありません。それぞれ違う家庭に育ったわけですから、どこかで相手の欠点を我慢するしかないでしょう。大切なことは我慢とよく言われるのはこのことを指していると思われます。

 結論を言うとお互いの両親の相性がどうかを考えることです。そんな機会は少ないと思いますが、少なくても婚約前に相手のご両親と会って、自分の主義主張と合致しているか互いに確かめるのが良さそうです。

 子供の頭脳が発達する過程で一番影響を与えるのはやはり両親です。だから両親を見れば性格の一端の見当も付くでしょう。でも短期間の会合はお互いが演技をするのでそこは要注意です。

 何度も相手の家庭を訪問して相性が良くないと思えば思い切って別れるのが無難でしょう。女性の美しい顔は長く保てませんし、少年の瑞々しさは中年になれば消え失せます。

 台、50台になった時の相手がどのようになっているかを想像して結婚を決めれば、良い結果が出るでしょう。

酒巻 修平

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