遺産相続

 親がある程度の財産を残し、相続人が複数存在するケースでは相続割合などの話し合いがスムースにいかないケースをよく耳にする。

 しかし自分自身が充分に財産を作るという能力を持っている人は100人に一人もいないのではないか。代々土地などの不動産が継承されてきた家系でも今の税法ではそんな財産は三代でなくなるのが常だ。

 会社の経営権という無形の資産を残したとしても社会は絶えず変化しているので、残された会社を変わりなくあるいは拡大して運営するのは至難の業だ。だから親がなくなりそうになると今まで寄り付かなかった相続権者が度々訪れるようになる。これでは世の中の地獄だ。

 その対策として財産を保有している親が遺言書を作成して法定管理者に預けておけばある程度のトラブル解消の手段にはなるが、これも完璧ではない。

 遺言書を書く段階に達すると気力が薄れ、財産状況が変化しても遺言書を書き換えないなどの事態が発生して本人の意思に反する遺産分与がされることもしょっちゅうだ。

 そんなことを危惧して本人が元気で気力も充実している時に遺言書を作成、保管してもらえば理想的であるが、本人がそんなに体力、意力がある時は遺言書など作成する気にならない。

 戦前は親の遺産は長男が継いて、長男の采配で分配をされたりすることが基本であったので、そんな身内の醜い争いは少なかったであろう。しかし戦争に敗退し、アメリカの方針の元で日本の習慣が無視された結果、そんな無風の状態が無くなってしまった。

 第一すでに税金を支払った資産に関してさらに相続税を課すという二重課税を平然と行う政府は信用ならないが、反対しても制度が変わることはないだろう。

 妻が若くしてなくなり、夫が取り残されるとその夫は再婚するケースが多い。子供からすると父の再婚である。そうすると子供と再婚相手、すなわち義理の母との遺産争いが勃発する。遺産争いが起こるのはこれが一番多いケースのようだ。

 遺言者が書かれていてもその後資産を生活費に充てるなど、資産の状況が変化減少するケースは多い。そんな時は遺言書を書き改めれば良いのだが、その気力も失せている。

もう体力も気力も残り少ない。最後の妻に晩年の世話をしてもらう。これがどの程度の価値があるか状態によって違うが、夫に取ってはそんな人が頼りの綱だ。つい妻に極めて有利な遺言書を書かざるを得ない。

だが子供に取っての母は亡くなった父の妻で、子供に取っては後妻として血縁関係がない。子供は大体義理の母のことを嫌うし、逆も同じだ。あるいは後妻が前妻の影響を受けた子供を疎ましく思う。

 第三者的に見れば後妻が金目当てでなければ、そちらに味方をするが、遺産の分配率があまり不公平だったりすると見方が反対になることもまた多い。そしてそのケースをよく見かける。

 子供が女性の場合が最悪だ。女性は自分がいつも正しいと考えていることが多く、見難い争いに突入する。ただ残した資産は亡くなった本人が全て構築したものだ。本人が決定して遺産の分配を考えたなら、本人の意思が全て尊重されるべきである。

 相続人はそのことを考え、親または夫を恨んではならない。そんなことをする前に自分で財産を築く努力をするべきだと思う。だが親がある程度の財産を築く能力があると子はついつい状況に甘えるので、財産を築く気持ちが弱い。

 だから親が極貧である家庭の子が大きく成功するのだ。しかしその子はまた努力をしない。そうして大きな目で見ると社会は公平に保たれる。

 相続税は元々日ロ戦争の戦費を調達する手段として考案された税である。しかしもうその影響がなくなった今、本来はなくすべき税であるにも関わらず、政府は頬かむりをして無知な国民を欺いている。

 そして課税控除額も小さくして、たった4200万円以上は課税されるようになった。こんなことに反対する野党がいないことも野党も信じられない理由の一つだ。

 相続税を支払わなくてはならないレベルの資産が残されると税務申告をしなければならない。それには複雑な調査、税額計算が必要で、税理士に頼むと少なくても50万円以上、大手だと100万円以上は要求される。

 どうしてそんな複雑な税法を採用しているのか。ここにも政府の手法に苛立ちを覚えるのは私だけではないだろう。この国の官僚は総入れ替えをしてもらいたいくらいだ。

酒巻 修平

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