トランプのビジネス感覚と安倍の政治感覚

 トランプ大統領は現在70歳で親の代から不動産関連をビジネスとしている。安倍首相は3代以上に亘る政治家一家に生を受け、政治家感覚が身に染み込んでいる。

 トランプも安倍さんも長年の感覚から抜け出すことができない。私の家系からは政治家は全く輩出しなかったが、ビジネス感覚だけは40年以上の会社経験から持っている。

 その目でトランプの政治行動を観察していると良く理解できることが多い。近頃アメリカのドローンがイランによって落とされた。その報復として一部地域を攻撃することを決めたが再考して止めた。

 ドローンは一機どの程度の価値があるのか知らないが、少なくても人は一人も死んでいない。それに対して攻撃予定地域を予定通り攻撃すると150人の死者が出ると試算された。

 失われる人の生命を数値化すると0対150である。これはバランスしないと考えたトランプが攻撃を取り止めたのだ。人命を数字にすると只のものを取られ、150ドル支払いを受けるのは相手に損害を与えるという計算である。

 安倍首相は政治家の家庭に育ち、金勘定は得意ではない。安倍さんは頭が良いから、論理的に経済も考えるが身に付いたものではない。だからトランプのように数字を扱うことが苦手だ。

 トランプは日本が攻撃を受けたらアメリカは同盟により日本を守るがアメリカが攻撃されたら日本は守らないと日米同盟の不公平さを訴えて、その条件を再交渉したいと述べた。

 中国や北朝鮮が軍事的に日本に対して脅威である現在、同盟国であるアメリカからこんな発言が出て来ることは日本に取って驚きである。

 しかしそではない。トランプとしては当然の発言だ。これは良く分析して数値化しなければ分からない。そうでないとトランプのビジネス感覚に染まった頭には理解できないだろう。トランプは優秀な企業経営者である。そこを考えよう。

 日本に軍事基地があることは日本のためだけではない。アメリカも大きな恩恵を得ている。日本は基地を無償で借用させ、アメリカが軍事的に北朝鮮や中国に圧力を掛けられる。

 北朝鮮は韓国や日本を攻撃する原爆を保有している。アメリカを攻撃するにはまだ無理があるが、日本が北朝鮮の攻撃のターゲットになっているのは間違いがない。

 それに対してアメリカは本格的な手を講じていない。それはアメリカにはまだ実質的な脅威がないからだ。ということは日本の脅威に対して何もしてくれてはいない。

 アメリカは日本より自国のことが100倍も重要である。当たり前だがこれを数値化しなければトランプは体で感得できない。

 日本が軍事基地を貸与している代金、年間1兆円と試算する。何故ならアメリカの軍事基地があるという理由でその基地のある日本の国土が攻撃される可能性が捨てきれないからだ。

 もっとある。日本に滞在しているアメリカの軍人は税金を日本に支払っていないが、色んな利便性を日本から受けている。軍人の数140万くらい。日本国土の使用料を支払わなければならない。アメリカの軍事基地が組織だとすればその従業員はトヨタの社員より3倍も多い。

 もし税金を支払えばトヨタが支払うべき税金の3倍は支払わなければならないだろう。しかし種々の控除を差し引き3倍の半額で良いとしよう。

 そうすると年間2、3000億円。その他アメリカ軍が有形無形の日本の助力を考えると総計で2兆円くらいの支払いを受けたい。

 アメリカ軍の総経費の75%は日本が負担している。25%はアメリカが負担しているがその金額は年間1600億円程度である。だからアメリカが受けている恩恵は果たす可能性のある義務と比較して大きすぎるとも言える。

 日本が考えを変えて中国よりの政策を取り、アメリカ軍の解体を要求するとどういう事態になるか。考えると日本の要求が不当でないと理解するだろう。どうして誰もこのような計算をするか、アドバイスしないのだろうか。

 上記計算が妥当であるかどうかは何とも言えないが、少なくても数値化しなければトランプには理解されない。

 但しトランプは安倍さんに頼まれてそのように言っただけかも知れない。日本は外圧に弱い。アメリカから要望されれば憲法を改正してアメリカが攻撃されたら日本も一緒に反撃できる体制を作りたいのではないか。

 習近平も金正恩も数字に弱い。トランプは力を背景にビジネス戦争に持ち込もうとしている。中国も北朝鮮も勝てるわけがない。

酒巻 修平

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