癌の5年生存率66%

癌の生存率が上がってきている。手術技術の向上、抗癌剤、放射線の照射などの治療法が進歩したことが原因だと思われる。だがいまだに34%の患者が5年生き永らえることができないというのは恐ろしいことである。

 医学とは病気を治す方法を研究し、実践する学問ではない。症状を軽減、消滅させることを目的としている。

 だが原因が分かっている病気や怪我は治療ができる。病原菌が原因で起こる病気、例えば結核やインフルエンザ、あるいは骨折は病気の根本原因に対するアプローチが簡単で完全治療の可能性が高い。

 だが例えば上記の癌、肝臓病、不整脈は緩解(症状の消滅)までは至るが、いつまた再発するか分からない。病気の原因が分かっていないからだ。

 例えば不整脈のうち心房細動によるものは、肺静脈あるところから不必要な電気信号が心房に1分間に200以上も送られ、心室が不定期に血液を送り出す。それに脈拍も増えるので、患者はいつも不快感や心臓の働きが不正になる。

 医学ではこのことも症状から考察して症状を抑える努力をする。不正に電気信号を送る肺静脈の部分を焼き切るという乱暴なやり方で症状を軽減または消滅させている。

 だがこれでは病気が消滅した訳ではないので、また再発する可能性が高い。どうして病気の根本原因が分からないのだろうか。あるいは真剣に研究しているのか。これは医学の分野ではなく、生理学の分野であろうか。

 人の体の制御がどのようになされているのかを知ることは難しそうだ。脳が何かの理由で異常な信号を発すると病気になる。こんなことくらいは論理を追求すれば分かるが、具体的にどのようなものが正当な電気信号でどのようなものが不正な信号であろうか。そしてそれがどのように発生して病気という状態に陥らせるのか。

 昔は聞かなかった犬猫の癌も多発している。癌は外部要因で発生するのか、あるいは新陳代謝の誤りとか内部要因で発現するのか、それすらも解析されていない。外部要因だとすると排気ガス、オゾン層の破壊など考えられるが、原因が分からない限り打つ手はない。

 また内部要因で、新陳代謝が行われる時に間違ってアポトーシスしない細胞を製造してしまうのか、まださっぱり分かっていないし、どうもこのことを研究している人もいないのではないだろうか。

 寿命の伸ばす方法は研究されていて、成功するかも知れない。だがそれも寿命を延ばす因子を操作する方法が取られるで、人の体の制御機構を研究してのことではなさそうだ。

 体が傷つくと痛みが発生する。これらは原因と結果の問題で、もしかしたら症状は痛みと同様症状は病気の存在を体に教えているのではないか。病気の原因があってその下流に症状がある。

 痛みがなければ体の損傷に人は気が付かない。症状がなければ病気の存在に気が付かない。そうであれば痛みを止め、症状を軽減することは体に取って良いことかどうかも疑問だ。発熱もそうで熱を下げない方が風邪は治り易い。

 風邪に付いては原因が分かっているのに治せない。それはウイルス対体の免疫機構の争いの関係だ。体がどのように作用しているか分からなければウイルスを免疫機構が退治することに手を貸すことができない。だから今のところ特殊なウイルス以外、ウイルスは駆除することができない。

 何故だろうか。医学がこんなに発達しているのに。もしかしたら医学の研究の方向性が違うのではないか。病気の原因と治療法は生理学や新しい学問分野に属することではないだろうか。

 最近「伯壬旭」著「新カルマの法則」という本にーなぜ、人は病気になるのかーという副題が書いてあったので、喜んでその本を買った。だが内容は単に著者の妄想あるいはオカルトっぽいことが書いてあるだけで、がっかりした。化学的論証など一つもない。

 ノーベル賞受賞者のシュレーディンガーがDNAは量子的にコピーされるので、時々突然変異し、変異の大きいもので体に適合しているのが次代に遺伝していくと述べている。こちらは実験をしていて論理的にも納得できるものであった。

 そうだとすると体に適合したものは遺伝していくが適合しないものは病気として発現し体が消滅させようとしているのか。

 しかしそんなことは単なる思い付きの戯言的考究で実験もしていないし、事実とは証明しがたい。

 言いたいのは誰か病気が何故起こるかを真剣に考え、体の上流の方からのアプローチをして病気の消去方法を編み出して欲しい。

酒巻 修平

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