トランプ大統領、安倍首相考えの違い

 日本は世界でも国の歴史が最も長い国の一つである。アメリカは逆に歴史がまだ250年に満たない。徳川幕府の歴史より短い。

 一般的に古い国は伝統に左右される傾向があり、新しい国は新規の考え方を追い求める。トランプと安倍の違いの大きい部分はそこだろう。トランプに取って歴史の長い国がどうしてそんな利益の無い考え方をするか分からないし、長い歴史を持つ国は安定性を求める。

 だが二人は政治家である。政治家が政治家である所以は選挙で当選したからだ。安倍氏はもしまた議員に立候補すれば当選する確率は100%近い。一方トランプ氏は反対勢力の状態が今のまま、有力な候補が出て来ないとしても確率は60~70%である。

 安倍は簡単に消費税を10%に引き上げたが、トランプだとそうはいかない。安倍氏の政権は極めて安定的である。だが安倍氏はトランプの立場を良く理解している。だから直近の会談でもトランプ氏が大統領として再選されるよう協力したのだ。自動車の関税を引き下げず、アメリカから輸入する大豆の関税だけ引き上げたのにはそのような思惑があった。

 安倍氏には頑強に抵抗して自動車の関税を引き下げる交渉をする余地はあったが、ここはトランプ氏に花を持たした。

 Aという小さな村があり米を食べて慎ましく暮らしていた。山を越した隣にはBという大きい村がある。Bでは小麦などの食料が豊富で農機具などなどを作っている。ある時B村の村長がA村にきて余っている農産物を買ってくれと頼みに来た。でもA村では買う金がない。するとB村の村長は農機具の作り方を教えるからそれを作ってくれ。そうすると金を手に入れることができる。そのように提案した。

 A村の村長はその申し出を受け入れ、農機具を作り儲けた金でB村の小麦やとうもろこしを買い始めた。これでAとB は互いに幸せだった。だがA村の人は器用で、勤勉だった。A村で作る農機具は優秀でB村の物より良くなった。

 B 村ではA村で作った農機具ばかリを買うようになったので、B村で農機具を作っていた人は仕事がなくなった。今更農業もできない。さあ困った。そこでB村の村長はA村製の農機具がB村に入ってくる時に税金を課すことにした。

 こうなるとA村製の農機具は優秀だが高い。だが農産物より機械の方が高いからBのお金はだんだんA村に流出するようになっていく。B村の村長は慌ててもっと農産物を買えと言う。だがあまり買うとA村の米を作る農家が今度は困る。

 A村が日本で、Bがアメリカだ。世界はA村からZZ村まであり、それを複雑にしたのが世界経済である。中には農業なく、機械を作る能力もない村もある。

 安倍首相は多分日本の工業技術が世界一だと知っているだろう。トランプもそうだ。だがアメリカには新しいものを発明する能力がある。だが新しいものもいずれ特許が切れると製造方法やそのノウハウが流出する。

 そうなると日本の出番だ。元々欧米の発明品であった車、鉄道、家電、電気器具、機械、遊具などを製造する技術は日本が一番だ。車を初め、工業製品の製造は日本にだんだん持っていかれる。

 日本はいずれ航空機、宇宙関係製品などにおいてアメリカや欧米が持っている技術を追い抜くだろう。その時追い抜かれた国々は何をすれば良いのか。関税率を高くするのは欧米が言い出したことで今更その考えを後退させることは難しい。

 トランプはB村の村長だ。B村はB村だけで生きて行きたい。だが余っているものは他村に売りたい。だがそう上手くはいかない。これからアメリカはやきもきすることが多くなるだろう。

 アメリカはお人好しだ。他国が及ばないほど金があったベトナム戦争以前、他国を色んな点で助けた。だがベトナム戦争で手持ちの金が少なくなると人助けより自国の人の生活を考えなくてはならなくなった。

 それでも自分たちは一番でいたい。台頭してくるソ連はアメリカとの軍拡競争で大きな資金を使い、経済が破綻して国が滅びた。今度は中国だ。経験を踏まえ、同じく経済戦争を仕掛け始めた。元々歪な政治や経済体系を持つ中国はソ連と同じ轍を踏むだろう。

 日本は表面上アメリカと仲が良い。だが安倍首相が考えているのは戦前の日本の国力と地位を取り戻すことだ。一部は既に達成している。中国や韓国は経済的には日本の敵ではないだろう。憲法が改正されれば軍隊を持ち、軍事的にも大国になるはずだ。

 トランプも古き良き時代へ戻りたい。アメリカを再度富ませ1950年の状態にしたいのだ。二国の野望はある程度達成されるだろう。国の一番の資産は人である。中国の人口は多くても品位が低すぎる。韓国は日本と仲良くしなければこれから茨の路が待っているだろう。

酒巻 修平

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