あなたの頭を信じよう

 動物の頭は何のためにあるのか考えたことがあるでしょうか。生物は自己複製する系で、そのため自己自身も生を全うしなければなりません。

 エネルギーを創生し、危険を回避しなければ生は全うできません。その役目を果たすのが脳なのです。ただ人ではその役目の範囲を超えて生そのものを享受するように脳が発達したのです。

 ですから脳は生を全うし、自己複製をするだけではなく、今ある生を堪能する能力を獲得しました。だが本来の目的は生そのものを永らえることです。危険物が飛んでくれば身を避けるでしょうし、空腹になれば食事を摂りたくなります。

 学問をして宇宙の在りようを研究する。人がどう考え、行動するかを哲学する。人の体が如何に成り立ち、どのように作用するかを考察する。そう言うことは人だけに与えられた特権ではありますが、その前に人は生きて行かなければなりません。

 生きて行くにはエネルギーが必要です。それは食物という形で体内に取り入れますが、それ以外にも空気、放射線、地球の自転、公転、太陽光なども重要な役目をなしているのはご存じの通りです。

 食物を摂取する前に空気がなければ人は10分とは生きていけません。太陽光がなければ生物その物が存在しなかったでしょう。そのように人は外界の自然に影響され、自然の物質の置換を体と行っているのです。

 物質はもともと二つしかありませんでした。それを人が頭脳を使い、第三の物質を作りあげました。それが人工物です。人以外の動物は食物に熱を加えることなどしませんし、より多くの収穫をもたらす小麦や米を作り出したりしません。

 人工物を体内に入れ、それと体細胞と置換するのは体が本来望んでいないことです。ですから本能のことを考えると人以外の動物は自然物しか体内に入れません。

 だがこの人工物はもしかしたら人の生命を長くしたかも知れません。海水から塩分を取り出し、それを食事の味付けに使う。病気の症状を軽減するために薬を服用する。家を作り雨風を凌ぐ。そんなことが人の生命の長寿化に役だっているかも知れないのです。

 だが人は自然の中から生まれてきたのであって、人工物は人が後から生成したものであれば、人の生は自然物に依存していると言わざるを得ません。自然と同化するように体はできていると思われます。

 頭はそんな自然とより良い関係を保つために存在しています。落ちたばかりのりんごは形がまだ整っています。その形の綺麗なりんごは新鮮でしょう。だから人は形の良いりんごを食べます。それは新鮮な物ほど体には良い食べ物だからです。

 舌は食べ物の新鮮さや質の高さを図る人に備わった道具です。美味しいものは体に良いのです。塩が多すぎる食べ物はからくて食べられません。舌はそんな情報を頭に伝え、頭が食べろとか辞めろと口に命令を出すのです。

 体つきからして人は本来40年ほどの寿命を与えられているに過ぎません。ですが脳が発達したお陰で今ある8,90歳までの寿命を獲得しました。それは自然をある程度克服し、体に良いように変化させたからでしょう。

 ですから寿命が延びた分は頭脳が発達したことにより獲得した余命と言えるかも知れません。4,50歳までは体自身が生き、それ以降は頭脳で生きていると考えても良いでしょう。

 健康を害すれば食欲がなくなります。これはどんな動物にも当てはまります。そんな時は物を食べなければ良いのです。これは体の本来的な要求です。玉子酒を飲めば風邪など治ると豪語する人もいますが、それは玉子酒が風邪を治すのではなく、不必要な玉子酒という障害を越えて体が風邪を治したに過ぎません。

 また病気になれば寝たくなります。それも脳が命令したことです。この脳の命令を聞いてやって下さい。熱が出たら下げてはいけません。熱はウイルスを殺す役目を果たします。

 脳は基本的には体を守るためにあるものです。人工物はできるだけ摂取しない方が良いでしょう。だがより良い形に変形されてできた人工物は体に良いかも知れません。それらを取捨選択すれば寿命は延びるでしょう。人生をもっと楽しむことができます。

 薬は長期間飲んではいけません。必要な量を短期間服用して体の回復力が元に戻れば服用を止めるのが良いでしょう。暑ければ体は不快に感じます。冷房を付けましょう。

 体が快感を得ることが長生きのこつです。年を取るとスポーツのやり過ぎは良くありません。冷水を体に掛けるのも心地良い物ではありません。こんな体が嫌がることをやってはならないのです。

酒巻 修平

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