精神力を高めるには

 腸が体で一番大切な機関でそこを司令塔として体がコントロールされるなどと荒唐無稽で全く事実でないことを本に表す人物がいる。人は複雑な機構を備えた動物であるので、ついそんな出鱈目も本当だろうかとそんな本を買ってしまう。

 本を買うのは良いだろう。人の意見は尊重すべきだからだ。だが本に書いてあることを実行するのは考え物だ。健康を害する可能性が高い。こんな人物はどうしてそんな突拍子もないことを本に著すのか。簡単だ。金儲けを考えているに過ぎない。少しでも健康に暮らせるようにと思って書く本ではないのだ。

 人以外の動物を見ると腸には腸の役目があるのが、感で分かる。胃で一次消化した食物を最終的に腸で分解し、新陳代謝の材料となる。腸に造血作用があるとそんな本は言うが本当に確かめたのか、そんな実験をしたのか。単に捏造した虚偽であると思える。

 体全体を制御するのは脳である。各器官もそれぞれ端末のコンピューターのように情報を収集し、器官を動かし、その結果を脳にフィードバックすると考えられる。

 脳は各器官から寄せられた情報を元に体全体や筋肉を制御する。脳は体の制御という意味合いからは最も大切な臓器である。

 脳は単に脳と言われているが、機能の分担をするため各部分に別れている。その各部分が例えば情緒、怒り、記憶、筋肉の作動、各器官の平衡などを司る。ここでテーマになっている精神力も脳の作用の一部である。

 短距離選手は100mを走るのに10秒掛からない人がいる。そんな人は大きな精神力とそれに伴う筋肉、体のバランスなどを訓練で鍛え上げた。練習を始めた時は100mを早くても13秒とか12秒掛かっただろう。

 中には16秒も掛かる男性もいるだろう。生まれつき持っている筋肉の質や量により走る速度が違う。だが誰も最初から10秒では走れない。

 それでは10秒を切るスピートで走るのはどのようにして成し遂げたのか。それにはまずそうしたいという意識というか欲望が必要だ。どんなことでもやろうとする意識が必要なのだ。

 精神力などというのは哲学的な概念であるから、生理学的説明は簡単ではない。だが自分の欲望を満たそうという気持ちが精神力の一部であるのは間違いがないだろう。

 先ほどの短距離競争の選手のように人には精神力の大小が生まれつき備わっている。だが少しでも早く走る努力をすればその欲望はある程度達成するのも事実だ。小さい精神力を持って生まれた人もその精神力を大きくすることは不可能ではない。必ず達成できる。

 毎日日記を書こうとする。そんな欲望を簡単に達成できる人もいれば私のように3日で止めてしまう人もいる。3日で止める人には書き続けるという精神力がその時にはなかったのだ。

 だからもっと小さい精神力でもやれる方法を考えれば良い。まず持って生まれた精神力を使って日記を書くにはどうしたら良いのだろうか。

 毎日書くのは最初断念した方が良い。何か大きい買い物をした時だけ書く。できれば何を買ったか書き添えられればなお良い。

 そんな小さなことは案外できる。それもできない人はそんなことをする欲望がないし、目的もないから日記を書くという作業に意義を感じていない人だろう。そんな人は最初からトライしない方が良い。

 今日は本を1000円で買った。その下に本の題名を書く。その程度はできそうだ。毎日本を買う訳ではないから、1000円以上のお金を使った時だけ書く。これは案外簡単かもしれない。

 そんな習慣ができればもう少し小さい金額の使途についても書く。買ったものが役に立ったか、それとも無駄遣いだったか、そんなことを書ければもう先は見えている。お金はほぼ毎日使う。使わなければ今日は出費ないと書く。

 すなわち大きな精神力は小さな精神から生まれるのだ。欲望は何故生まれるかと言えば自然に入って来た情報や体から発せられたことにより自然に発生する。日記を書きたいと思う人は脳のどこかにそんな欲望の赤ん坊がいるのだろう。そんな赤ん坊を育てあげるのだ。急いではいけない。毎日書かなくても良い。書きたいことがあれば書く。そうして欲望が無くなればそれはそれで目的を達したとも言える。

 もし欲望が持続しているなら、精神力はその欲望によって少しずつ大きくなっていくであろう。もし日記を書かなければならない必然性があれば欲望はなくならない。一旦停止してもそれは脳のどこかに眠っているはずだ。そのうち目覚めるだろう。そうすればまたやり始めれば良い。

 脳は不思議な器官だ。脳を鍛えるのは脳の力がいるし、脳の力を出すには脳を利用しなければならない。脳の作用は脳に始まり、脳に戻る。脳の作用はどこが始点か分からない。脳は多分その人が持って生まれた欲望と取り入れた情報との総合作用であろう。

だから生まれつき欲望のない人口知能は人の脳を超えられないし、AIに作用をさせるには人の力が必要なのだ。人工知能は人を超えることはできない。

酒巻 修平

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