力士には何故怪我が多いのか

 今場所は横綱鶴竜、2大関の豪栄道、高安、大関返り咲きを目指す関脇栃ノ心、元大関、横綱候補の逸ノ城、新鋭友風、若隆景が幕内では休場した。全て病気ではなく、怪我のためだ。

 相撲は激しいスポーツであるが、いくらなんでも怪我が多すぎる。昔の力士にも怪我がなかったわけではないが、こんなに簡単には怪我をしなかった。原因は何だろう。相撲協会はその原因解明の努力をして、その対策を練っているのだろうか。

 あるいは原因は分かっているのに興行目的のためにそれを放置しているのか。私は60年くらい相撲ファンであるが、最近は取り組みを見ないことも多い。だが場所はいつも満員で教会は経営的観点からするとほくほくであろう。

 私が気になるのは勝った力士が負傷することである。投げを打った時に胸筋を傷め、脹脛の筋肉を傷めることだ。見ていてもどうして負傷するのか分からない。まして高安がぎっくり腰で相撲を取れなくなるなど、考えられないことだ。

 ぎっくり腰は一般の人では腕だけで物を動かしたりする時に起こる筋肉の防衛的収縮で起こる。私はそんな人を何人も治してあげた。固まった筋肉を指圧して緊張を解すと20分くらいで直る。

 力士の体を大きいし筋肉も太いだろうから私には治せるかどうか分からないが、高安の回りにはそのような施術をする人がいないのだろうか。これは難しい施術ではない。

 大相撲にサモア出身の人が入ってきてからその大きさに対抗するために日本人力士も体重を増やす努力をし始め、今は幕内の平均体重は160kgにもなっているという。

 現在の相撲は過去のそれとは全く違う。立ち合い一瞬の突撃力を生かし、相手を土俵の外に押し出すのを主眼としているようだ。そうして勝つと解説者も素晴らしいと褒める。

 何が素晴らしいものか。これは相撲の醍醐味を削ぐ。これは相撲ではない。肉弾戦と表現したら良いのか、そこには技が全くない。瞬発力、大きさ、筋肉の押しの強さ、そんなただ体力だけを生かした勝ち方が推奨される。

 体も昔の力士とは違う。体に無理を掛けて大きくすることで筋肉の適正な訓練ができていないように思われる。だから小兵力士が持てはやされる。いまの力士の筋肉にはすが入っているのではないかと思わるほど脆い。

 かつて大横綱には千代の富士、輪島、初代若乃花、栃錦などがいたが彼らはぶくぶく太っていなかった。その前には千代の山もいて突っ張りを得意とした。千代の山の突っ張りは威力があり、,3発で相手は土俵を割ってしまう。

 千代の山は筋肉で突っ張り、今の力士は体重で突っ張っているように思えてもならない。解説者の元北の富士が力士は太り過ぎだと言っていたので、そんな声は相撲協会に届いているはずだが、それに対する対策をしているのか。

 スポーツ選手はどんなに能力があってもコーチが付く。そのコーチは選手に練習をさせるが、させ過ぎないようにも注意する。やり過ぎると疲労骨折というアクシデントも起こるからだ。

 力士のコーチは親方だろう。だが親方はできるだけ多く練習をするように力士に強制するし、何しろ巡業が多すぎる。力士は従順だから反対する者もいない。かくて力士の肉体は酷使されている。これも怪我が多い原因になっていないだろうか。

 筋肉は鍛えなければならない。だが鍛えすぎると筋肉は悲鳴を上げる。相撲協会は金儲けばかりに走らず、力士をもう少し可愛がってやればどうなんだろうか。スポーツマンは全員若い。精神も未熟であるし、親方に反論することなど思いもよらないだろう。

 今大関として通用するのは誰だろうか。高安は有望株だったが、もう無理だろう。白鵬や鶴竜が引退すれば地図も変わるだろうが、高安や貴景勝程度の力士が今の実力のまま横綱になると大相撲はますます面白くなくなるだろう。

 一時栃ノ心はすぐにでも横綱になると期待したが、彼も怪我が多すぎる。大関復帰のチャンスもなくなった。上位力士になれば収入は相当多いだろうが、しかし他のスポーツと比較するとそれほどでもない。こんな割の合わない職業を選ぶ若者は今や消滅しようとしている。

 目先の利益だけを考える組織はそのうち破綻する。そうなる前に相撲協会は考えを変えなければならないだろう。今の理事長も薄汚な過ぎる。人としてもう少し誠意を以てことに当たってもらいたい。少し巡業を減らすべきだ。

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