自分を馬鹿らしく思う時

 自分が本当に馬鹿らしく信じられないと思うことをすることがある。それは俺も私もあると言って慰めてもらいたい。

 何といっても多いのが、風呂を出た後、下着を逆さに来た時だ。こういうことがよくあるので、背中のタグを確認して着たはずなので、どうも着心地が悪く、しっくりこない。

 そこで前を見るとネックがやけに上の方に来ている。その裏を見てみるとタグがあると知った時のあほらしさ加減。

 着直せばそれで済むのだがそんなことを面倒だと思う人ほど、こんな馬鹿らしいことをするように思える。

 もう一度着直すとまた同じ状態。もう天を仰ぐ。自分の馬鹿らしさ加減は誰に文句を言えるものではない。

 電車の乗換間違いも同じだ。ある時銀座線に乗って銀座で乗り換えようとホームを上がった。今からする商談をどのように進めていくか考えながら、登った階段から乗り換え用の階段を下りる(そのころエスカレータやエレベータは設置されていなかった)。

 そして来た電車に乗り、ふと気が付くとそこは三越前。これは乗り過ごしたかなと思ったが、三越前はおかしい。

 私は日比谷線で人形町に行きたかったが途中に三越前などない。思い出してみるとどうも銀座で階段を登り、また銀座線への階段を無意識に下りたのだ。

 幾つかの駅を戻らなければならないし、アポにも遅れる。電話(当時携帯はなかった)を探し遅刻する旨を相手に伝えなければならない。

 目の前が真っ暗になる。悪くすると会社の評判も落とす。第一乗り換える面倒がこの上ない。こんなことがよくあり、もうしないと注意しても駄目だ。

 最近自由が丘で東急東横線から大井町線に乗り換えて溝の口の先まで行くことが時々ある。行きはいいのだが、帰りが問題だ。

 大井町線と田園都市線が同じ線を走っている区間があるので、二子玉川で乗り換えなければならないが、考え事をしていて気が付くと用賀だったりする。また乗り換えなければならない。

 これは自分の注意能力の不足から来ている。誰かと一緒だとその人の所為にすることもできるが、自分一人だけだと誰に怒るわけにもいかない。

 家にはコピー機がないからコンビニにコピーを取りに行くことがある。コンビニは家から歩いて12,3分も掛かる。私は不便なところに住んでいるのだ。

 白黒のコピーは1枚10円だから小銭を持って出かける。コンビニまでは坂があるし、私は不整脈の持病があるからしんどい。

 やっとコンビニに付いてコピー機の蓋を開け、原稿を置いてコピーをする。しかしコピー機はどうしても動かない。

 仕方なく混んでいる人が去った後に店員さんにコピーが動かないとクレームをする。店員さんは親切でコピーする手順を最初からやり直してくれる。

 しかし店員さんも動かすことができない。首を捻る店員さん。それを見ている私。そのうち店員さんが「分かりました。料金が入っていません」と告げる。

 その時のばつの悪さは顔が真っ赤になるくらいだ。でも自分が小銭を持ってくるのを忘れたと分かった時は目の前が真っ黒になる。

 一瞬「サザエさん」がお財布を忘れて買い物に出かけたというセリフが浮ぶが何の突っ張りにもならない。

 往復25,6分。たった10円、20円のために家に帰ってまた出て来なければならない。こんな時はもう今日はコピーを止めて明日にしようと考えるが、明日の昼にはそのコピーが必要だ。

 とぼとぼと家に向かって歩いている時に考えることは自分の馬鹿らしさ加減。誰か自分もそんなことをしょっちゅうやると言って欲しい。

酒巻 修平

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