評論家の予想

 韓国や中国に関して評論家は昨年12月までに、両国の経済は崩壊すると予想した。だが本当にそうなったか。

 依然韓国は財政破綻せず国債などは償還し、中国はアメリカと部分的だが経済合意をした。

 理由は簡単だ。彼らはマクロな見方しかしない。本当の国力は国民一人一人がいかなる努力をするか、どのような考え方を持っているのに掛かっている。

 それに政治家もそうだ。国の経済的、外交的な存続を祈念して精一杯の努力をする。それが経済破綻などを引き伸ばすことに繋がる。

 その元は精神力である。評論家は精神の力やあり方を予想のデータに加えない。だから株式の上下などは全く当たらないか、むしろ反対に動く。

 ある日の株価がいかにして決定されるかはその日株を売り買いする人の精神状態に依存する。何かの理由で買おうと考えれば買うし、売ろうとすれば売る。そこには何かの理由はあるだろう。

 それは評論家が知りうる範囲ではない。家計が行き詰まって株を売って金を得ることを考えることもあるだろうし、機関投資家では担当者が変わる時にある程度の結果を残しておくことを考えるかも知れない。

 だから株価などの投資成果は短期間では測れないのだ。それを大胆不敵にも半年くらい先の予想をする。ほとんどが外れる。

 日本は昔、時間を「一刻」を単位として考えた。一刻とは2時間だ。誰でも経験があるだろうが、どんな長い話しも会議も2時間くらいするとだれてくる。これは2時間を一区切りとしている人の体内時計がそのような動きをしているからだ。

 もう少し長期的に見ると大きな経済の流れは年単位だろう。今の韓国の経済が良くない状態であってもそれが破綻になって現れるには最低でも1年の歳月が必要なはずだ。

 マクロな状態がミクロまで到達するまでにはそれだけ時間が掛かる。逆も真だ。だから投資をしている素人は長期的な視野を持って当たらなければ損をする。

 たまたま大儲けをした人がいてもその人は大儲けをしたことだけを吹聴する。だが大損をしたのは話さない。それはその人の予想が当たる確率と外れる確率が同等だからだ。

 個々の人や団体の精神の総和が株価などに反映されるのを考えればそんな手法はすぐに分かるが、投資で儲かるとまた甘い汁を吸いたいと考えて損が増大して投資金はすぐ底を突く。

 ネットを見ると各国、特に最近は中国、韓国の近い将来を占う記事が多く見られる。だが過去の記事を見るといかにその予想が当たっていないかが分かる。

 我々が若いころ石油は40年で枯渇すると言われた。しかし今や石油の供給は需要を上回っている。枯渇しなかったし、むしろ埋蔵量は増加しているではないか。

 これは人が石油資源の新たな発掘に努力したことの証だ。また評論家は他の評論家とは違う意見を吐いて、人の関心を図りたい。だから実態の分析とは違う奇抜な意見を述べることがある。

 私は長年、会社が倒産する状態を見てきた。それによると倒産の可能性がある会社はまず噂が出る。だが実際は倒産しない。ところが噂がなくなってしばらくすると倒産するのだ。

 すなわち現状から分析した結果と実際にそんな状態が発生するにはタイムラグがあるということだ。

 このままいけば韓国経済は危機を迎えるだろう。だがそれは韓国経済に関する評論が出なくなったころではないか。努力のしようがなくなれば動きもなくなる。そうすると噂が消える。そこで経済破綻が起こるのだ。

 もう一つ評論家がやっていないことは根本的な人の行動様式や思考過程を分析しないことだ。人は他の動物にはない極めて優れた頭脳を持つ。人はその頭脳を使うことに生きている意義を感じるのだ。

 だから何か行動をしたい。物を売るすなわち行動を終結するより、物を買う方が頭脳を働かせることができるので、好きなのだ。

 従って、株価は長期的には絶対に上がる。30歳代から売らないつもりで有望だと思う株を買っておけば良い。30年の間にはその会社に何かのイベントがあって株は急に上がったりする。

 その時は欲を大きく持たず、売れば良い。そしたまた有望な他の株を買えば良いのではないか。

 素人の私が言うことではないが、何かを考える時はできるだけ人の考え、性格などの元を分析することだ。

 今結婚する人が少なくなった。結婚はある意味トラブルと考えているのではないか。あるいはその人と結婚しても幸せになる可能性が低いと考えている。そうすると小さい金は結婚や子供を設けるモチベーションにならない。政府が子育てに少額の手当てを与えてもまず人口は増加しないだろう。

 評論家はそんな人の性情を考慮に入れず、現在の状況からのみ思考を凝らす。だが情報が不足している。人の性情を考えずに推量する未来予想は当たらない。

酒巻 修平

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