教育制度
超有名大学を卒業しても仕事の現場では能力を全く発揮できない人が多い。
さらに突っ込んで聞くとそういう人は他の人より一般的に仕事ができないと良く言われる。
これは特に中小企業に多いようだ。一体どうしてことだろうか。
有名大学に入学できるだけで、優秀な頭脳を持っていたはずなのに、仕事ができないのは何故だろうか。
答えは簡単に出る。
学校での勉強が却って能力を減衰するのだろう。
小学校も高学年になると私立中学に入学する為の受験勉強を始める人がいる。
どんな試験に合格するにも、記憶が大切だ。漢字、算数の問題、その他全てが学校では記憶を優先して勉強させる。
ここでは考えるということは教えられない。確かに大企業では確立された仕事のシステムがあり、それを覚えれば仕事はまず自動的にできてしまう。
既存の顧客がいて、担当者は時々あるいはしばしば訪問すれば良い。
新しい顧客の獲得にはまた専門の担当者がいて、自分の得意分野を受け持てば良いのだ。
これは会社には効率的な人材活用法だ。だから大会社の社員はものを考えずに済む。
だから学校ではものを考える勉強をしないのだろう。
優秀な大学を出て、一生その会社に勤めていれば安泰だ。だが将来ともそうだろうか。
大会社もこれから倒産するところが増加するだろう。考える習慣を持っていない社員は小さい会社では使い道がない。
中小企業ではシステムが確立していないので、どんな仕事をやる場合にも自分自身で考え、実行しないとやっていけない。
質問することは答えることより何倍も難しい。学校ではその質問技術を教えないし、先生も教えられない。
大企業は記憶だけを頼りにした人たちの集団だ。そこでは新しい考えは出ないし、従ってこれから世界が大変革期を迎えるのに不安がある。
日本の防疫体制は昔優秀だった。だが今回の肺炎騒動の処理を観察していると行動が遅すぎる。
何故ならこの事件は予期しないことで記憶の中にはないことだからだ。官僚は迅速な対応ができない。
経済や政治と人の命をバランスに掛けて、前者を優先した結果であろう。だが少し長い目で見れば、中国からの渡航者を完全にシャットアウトした方が経済的にも被害を抑えられると思うのだが。
テレビで中国の武漢で係員が消毒をしている場面があった。その係員の消毒は全てのフロアをカバーしていない。
消毒液の吹き付けが不均一なのだ。中国という独裁国家ではそんなことは日常茶飯事である。
中国はまず信じられないとして、例外的に信じられる事や人がいる。日本は基本的に信じることができて例外的に信じられないことが起こる。
それほどの違いがあるが、それは日本では上層部ではなく、その下の人が優秀だからだ。上層部の人物は優秀な人に支えられて本当の仕事をしなくて済む。
もし上層部がものを考え、積極的な新しい考えに基づく行動をしてくれれば日本は世界一の優秀な国になるだろう。
この国は上層部がそんな可能性を消滅させているのだ。それは学校教育、それに対応する母親の考えが原因である。
酒巻 修平