フォーマルとは何か

 結婚式ではフォーマルな装いを基本的にはしますが、一体このフォーマルということはどういうものでしょうか。

 あまり見苦しい恰好でも結婚式には似つかわしくないし、堅苦しすぎても窮屈だと言う人もいるでしょう。

 そこでフォーマルとは何だという疑問に答えるために関連会社の社長に聞いた話しを書いてみます。

この言葉が示すようにフォーマルは英語です。日本にもフォーマル形式があったでしょうが、それは和風の物で今言うフォーマルとは違うものです。

 アメリカには皇室や王室はありませんし、歴史がまだ250年足らずです。従って文化も深くなくフォーマルもまだ独自の進歩は遂げていないでしょう。

フォーマルはイギリスでの言葉です。イギリスの王室はバイキングから派生しましたが、日本ほどではないにしても、すでに長い歴史を持っています。フォーマルという形式があっても不思議ではありません。

フォーマルというのは英国王室が正式な儀式で使用する形式です。もっと簡単に言うとナイトがエリザベス女王に謁見する時に使う形式のことだと考えて差し支えありません。

だいたい王にしても皇帝や天皇にしてもその権威は武力で勝ち取ったことに起因します。ですから元は暴力的なのです。その暴力を隠蔽し、権威をより尊いものだとするために作り出したのがフォーマルな形式です。

ですが、今フォーマルと言ってもイギリス王室の形式を寸分違えずに見習うことは容易ではありません。細部まで拘った様式があるからです。

ですから我々がフォーマルと言っているのはフォーマルに近いというくらいに解釈しておくのが無難なところでしょう。

特に日本人は明治以降欧米の文化の吸収に大きな努力を重ねた結果、自分でものを考えるのが得意ではなくなりました。

ですから服装も芸能人が着ていたとか、値段が高い、本に掲載された、有名店で販売されているといった基準で選んだりします。

フォーマルの男性用の靴にはリボンはありません。モンレーヴではできるだけフォーマルに近い形式を重んじ、リボンは取り付けていません。ですがリボンを付けたからと言ってフォーマルから外れていると固く考える必要はないでしょう。

今の結婚式は昔のように家と家の結びつきではなく、個人対個人です。家という概念が薄くなり、個人主義が進行した結果、そうなったのです。それが現在の文化で、否定することはできません。

ですからフォーマルと言ってもそれに固執する必要が絶対あるのではありません。個人が結婚式に相応しい形式の装いをすれば良いと思います。

ただジーンズで結婚式に臨んだりするのは行き過ぎで、そうであれば何も結婚式を挙げる必要もないでしょう。

もともと結婚式は家と家の結びつきから発展したものです。昔は家系を守るのが重要な任務と考えられていたので、結婚式があるのです。

誰もが納得できる服装で一生に一度しかない晴の舞台の主役として見苦しくなく、祝福してもらえる服装で演じれば良いのでしょう。

ただフォーマルに近い服装は自分自身がデザイナーにならなくても、一般受けするという意味では価値がありそうです。

 いつもはあまり用事がないフォーマル。あなたもエリザベス女王に会うつもりで、たまにはフォーマルの装いをしてみませんか。

 気持ちが引き締まるし、ものが変わって見えること請け負いです。食事をする姿勢も変わり、他の動物を食べてしまう人の罪業を反省する機会になるかも知れません。

酒巻 修平

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

ある書家