ソフトバンクグループ5000億円調達

 今朝の新聞によるとソフトバンクグループが国内外の銀行16行から自社の本丸とも思われるソフトバンクの株式を担保に5000億円を調達した。

 一時ソフトバンクグループの劣後社債を持っていた友人から相談を受けたことがある。

 その劣後社債の利回りは年3%もあって投資としては数字的に申し分ないが、償還期間は長く、そのまま持ち続けるのが良いのかというのが相談内容だった。

 友人は元本が保障されない投資は基本的にしない。だから日本国債などを保有しているだけである。

 買う時も相談を受けた。その時に私の判断は危険性があるが、この程度の規模の会社が万一倒産するとしても時間が掛かるだろうと予想して、買うことを勧めた。

 それから何年も配当をもらいそれはそれで成功した投資だった。だが昨年来ネットではソフトバンクグループが倒産するかも知れないという噂が立っていた。

 その時の私の判断は可能性があるとしても倒産するにはまだ時間が掛かる。だけどぎりぎりになると売却も困難になるので、この際売却したらどうかと私の考えの結果を述べた。

 友人は私のアドバイスを容れ、売却した。少し利益が出て、私としてもほっと一安心した。私が売却を勧めたのには私独自の考えがあった。

 噂は噂だが、噂が出ること自体その会社が弱いということだから、君子危うきに近寄らずだというものだ。トヨタが倒産するという噂は誰も流さない。流せば馬鹿にされるからだ。

 この考えで自分が運営している会社は何度も不渡り手形を保有する過ちを回避してきたのだ。

 友人が売った劣後社債を買ったのはさる大手の証券会社だ。彼ら投資や融資の専門家はソフトバンクグループの倒産などありえない。だから友人が売った劣後社債を自社で保有すると言う。

 ここが意見の分かれるところだ。専門家は倒産などあり得ないというし、ネット民は倒産もあり得るとのこと。

 どちらも無責任発言だ。言うことだけは言うがそれは単なる意見であって、倒産の有無を保障するものではない。

 さて今回の件であるが、私が気になることがいくつもある。

1.子会社といえ、本丸の一部であるソフトバンクの株式を担保にしている

2.16行もの多くの金融機関から借り入れをしている。

3. 借入金額がたったの5000臆円である。

4. ソフトバンクグループの手元流動性資金は1兆9000億円で、2年間の返済が必要な社債が1兆5000億円ある。

5. 現在グループは赤字を計上している。

6. 年率5~10%の配当をするというサウジアラビアの王子との出資条件が相手に有利過ぎる。5%配当するとしても2500臆円だ。

7. ソフトバンクグループは税金も全く日本に払っていない。

8. 新規のファンドが立ち上がらない。

9. 発言に透明性がない。

2での観察については、借り入れ銀行数が多すぎるように思う。数行から借りるというならまだ分かるが5000臆円を調達するのに16行必要だったというのは引っかかる。

その国内の金融機関の中で三菱UFJ銀行が入っているかどうかを知りたい。三菱は慎重な金融機関である。その三菱が今回融資をしたというなら、ソフトバンクグループはまだ危険な状態にないと考えて良いだろう。

みずほはリスクテーキングな銀行だ。三菱が入っていなくて、みずほが入っているのはそこに何か問題が発生している可能性を捨てきれない。

それにこの程度の金額では新たな企業買収には足りないだろう。ファンドが立ち上がらないと今の赤字を補填するくらいの利益を出している規模の企業を買収できない。

について、今ソフトバンクグループは赤字体質だ。その赤字分は全て流動性資金で穴埋めする必要はないが、長期的にはこれがじわじわと効いてくる。

赤字は負債の増加か資産の減少を伴う。更なる借入をするか、株式を初め資産の売却をしなければならない。私は今回の借り入れが赤字の補填に使われるように思えるのだ。

日本国に税金を支払っていないということは、日本国は助けないということだ。貸付を行っている銀行を助けはするだろうが、それはソフトバンクグループの倒産を意味する。

またうがちすぎかも知れないが、総帥の孫氏はアジア人である。欧米の人より嘘を付く確率が高い。5000臆円の借入目的の説明を鵜呑みにできない。

だが実際倒産するとしてももう少し先のように思える。もしそんな状態ならまた何かそれを回避する動きをするはずだ。私の40年以上に及ぶ企業経営からくる感がそう言っている。

だがソフトバンクグループは極めて巨大だ。その点で私の観察が間違っている可能性も捨てきれない。

もう一つ観察しなければならない点がある。それは精神やその状態を示す行動のパターンだ。

倒産防止のための金策をする経営者は連絡が取りにくくなるし、今まで拘っていたことにも拘りがなくなる。

あるいは怒りっぽくなる、優しくなる、その他その人の通常の精神状態から変わった動きをするものだ。

そんなことが起きていると倒産は近い。この孫さんという人は繊細な人で豪胆ではないような気がする。仕事の上で悩みがあるとそれを表に出すような気がする。

酒巻 修平

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