ネット社会の行く末

先日我が家の猫のためにトイレの砂と餌を買いに行った。

店にはご主人しかいなかったし、お客さんは私一人だけだったので、少し話をしてみた。

ペットブームでもあるし、さぞかし店は繁盛しているだろうとそんな点を質問したのだが。ご主人は全く駄目で、利益を出し難いと言う。

私はブームで店の数が増えたのかと更に追加して質問すると、そうではない。ネットで買う人が多くて店にはお客さんがあまり来てくれないと言うのだ。

心なしかご主人の顔色は冴えない。とても気の毒に思った。たったこれだけの会話だったが、そこには社会の変革を感じてしまった。

考えてみればそうだろう。ネットを通じて買う方が手軽だし、多分値段も安いのだろう。そしてネット売買はますます増殖していく。

これから導かれる結論はいくつかある。

まず店舗そのものの数も減少するだろう。家電製品を売る店も減少するか売り場面積を減らすと思われる。

それはそうだ。特に東京ではまだ地価が高いし、コストを考えれば店はネット販売にコスト面では勝てる訳がない。

ということは買いに行く人も減るので、交通機関の運営も楽ではなくなる。でも必要だから例えば電車賃は上がるだろうし、ガソリンもそうだろう。

店舗数が減少したり売り場面積が減るということは不動産の需要が減少することに繋がる。ましてリモートワークなどが普及するようになれば、日本の経済そのものに大きな影響を及ぼすことになる。

三井不動産や三菱地所の株価は今後期待できそうにない。東急電鉄も駄目だ。更に全体の物価が下落すると安倍政権が掲げた2%の物価上昇は見込めなくなるだろう。

実はその辺りはまだ良い。コンピューターの使用に慣れてくると人はものを考えなくなるのが怖い。

東京の新橋から岐阜市のあるところへ行くのに時間はどのくらい掛かるかなど簡単に分かってしまう。これは便利だし簡単に分かった方が良い。家を出発してどの電車に乗るかも教えてくれる。

昔は時刻表から乗る電車の発車時刻などを調べ到着時間から出発時間を割り出したものだ。今はそんな作業は不必要で考えることがない。

今はまだ全般的のシステムの組み方が稚拙だからアプリを使うのに考えたり使用法を覚えたりしなければならないが、そのうちアプリが自動的に使い方を誘導してくれるだろう。そうするともっと物を考える必要がなくなる。

ものを考えないということは新しいことを考える人が減少し、いなくなることだ。社会は閉塞し、味気なくなる。もう発明はないし、既存のビジネスは競争が激しくなる。経済は停滞するだろう

システムやアプリを組み技術者も既存のテクニックを使うので、ここでもものを考えない。だからアプリは使い難いことも多いのだが。

コンピューターと機械を組み合わせたAIなるものがもっと普及すれば製造する人件費が軽減され、製造工場は日本に回帰する可能性がある。日本に取っては良いことだが発展途上国には仕事がなくなる。

これはコンピューターの良い影響だろうが、危険も孕んでいる。すなわちコンピューターを使う技術が高い人は低い人を支配することになる。そこには人柄が介在する余地はない。

銀行預金をハッキングして盗むことも可能だし、原子力発電所の操作も停止させられることもあり得るだろう。

そうすると都市機能は麻痺し、人の生活の基盤は揺らぐ。電車も止めることができ、銀行のATMも作動しなくなる。人はカードで決済できるだろうが、それも妨害することができるだろう。

もし北朝鮮がそんなことを考えたら、アメリカも日本も韓国、中国も国家の運営もままならない。

インスタントやレトルト食品が氾濫するだろう。そして家庭での料理はされない方向に向かう。アメリカではすでにそうなっている。おばあちゃんの漬物はなくなり、工場で大規模に生産された馬鹿高い漬物を我々は買わなければならない。しかし優雅なレストランでディナーを取りたい。寿司屋で好きな握りを注文して少しリッチな気分にもなりたい。

でもそんな欲望もチェーン店が奪ってしまう。人はだんだんと誰もが食べるのと同じものを食べ、文化は消滅してしまう。

一部の考える人がコンピューターの技術を使い社会を洗脳するだろう。だが人は物を使う。それは使う現場になければならない。その要求を満足させるのが、運送業で今後も発展していく。

だが運転手になる人は少なく、150円の文房具をネットで買うと運送料が300円も掛かることになるかもしれない。納期も長くなる。そうしてまた店が増えるのか。

これは遠い未来のことではない。現実に起こりつつある現象だ。菅ちゃんはそんなことを想定してデジタル庁を作って得意になっているのか。彼もすでに考えなくなっている部類の人ではないだろうな。

酒巻 修平

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です