経営 - 商品仕入れ-郷に入っては郷に従え

これは海外からの商品仕入れに付いて述べていることです。日本国内での仕入れは我々日本人に取って情報も入ってくるし、そう困難なことはありません。

ですが海外ではそうはいきません。風習も違うし、効率良く新製品を発掘しスムーズに取引を継続するにはどうしても特別しらなければならないことも多いはずです。

私はアメリカの業者との取引の経験が通算50年以上あります。その時に経験したことを元にお話しさせて頂こうと考えた次第です。

アメリカは戦勝国なので取引には英語を使わなくてはなりません。中には日本語を使って取引をするケースもあるかもしれませんが、稀有なことで、私は経験したことがありません。

大学まで行った人は英語を10年間勉強したはずですが、日本の英語教育は全く役に立たないことの方が多いと思われます。

因みに私は趣味でフランス語の会話を卒業後、お金を支払って習いに行ったことがありました。この時はわざわざ習いに行くのですから真剣です。

それもあったり教え方が上手かったりして習ったところまでは話せるようになったのは驚きでした。いかに文部省指導の教育は稚拙であるか身を以て体験したというわけです。

さてだからアメリカとの取引、特に新商品の発掘には苦労するはずです。何しろこちらの英語はアメリカ人の中学生にも劣るようなレベルですから、これが取引上大きな障害になります。

何年もアメリカと取引をしているとそれこそ必要に迫られて英語も操れる段階になりますが、それでも相手の方が母国語ですからどうしてもやりにくいことは否めません。

中国や韓国との取引などでは日本語を使えることも多いので、その点とは違います。先ずこの言語の障害を乗り越える必要がありそうです。

私が取った方法は現地人を雇うということでした。雇われた人は何とか自分の言いたいことを雇い主に分かってもらおうと努力します。

この点自身で取引先と交渉するのとは大きな差になって現れました。アメリカ人の従業員はもちろん自分の住んでいる国ですから自国の商習慣や風習に熟知しています。

だから雇用する人はアメリカで生まれアメリカで育った人でなければなりません。生活用品などアメリカのデパートで買って日本で売ったこともありました。ところが人気商品などはすぐ売り切れになるので、購入することが困難です。

そんな時はこのアメリカ人の社員が活躍します。デパートの店員などと話しを付けて次の入荷日などを教えてもらうようです。

私も試しましたが駄目でした。デパートの規則ではそんなことを教えたり、前売りすることを禁じているからです。

ここで私が知らなかったことはデパートの店員は販売額のだいたい3%くらいをコミッションとしてもらうということでした。

ですから店員はこれをもらいたい。規則を破って入荷日を知らせ、入荷した全量を密かに確保してアメリカ人の社員に売るのです。

日本ではこんな規則や風習はありません。日本の店員は真面目で良く働きますからオーナー側は安心して任せておけるのです。

ですがアメリカではもし働かなくても同じ収入であれば働かない人が大半です。その人たちも昇進(これをpromoteという)したいでしょうが、そんな方法を知れません。ですから働かないのです。

こんなこともありました。あるメーカーが日本に販売店あるいは代理店を探しにやってくるという情報をアメリカ人社員が得て、知らせてきました。私は成田空港に出向いてその人たちを車でホテルまで送り、翌日家に呼んで食事を提供したのです。

当然は我が社がそのメーカーの日本総発売元になり、結構な利益を上げました。そんなことが続き業界で私が歩いた後にはぺんぺん草も生えないと噂されたものです。「郷に入ったら郷に従え」というのは生きた格言だったのです。

以下次項

酒巻 修平

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