トランプ流安保 予測不能
トランプ米大統領の安保に関する予測が不能で同盟国に打撃を与えているという記事がリチャード・アーミテージの言葉として今日の読売新聞にのっていた。
トランプは現在政治家である。ではまず政治家の一番の使命は何であろうか。政治家と言ってしまえばそれまでだが、引き続き政治家として選出されなければそもそも政治家としての仕事をやることはできない。
政治家である前に一番大切なことは選挙で選ばれることだ。だから次の選挙が近づくと選挙のことで頭が一杯になる。
今のトランプの頭にあるのは選挙のことだ。選挙に勝つため、外交でも内政でも最大限を尽くす。
そんなことは当たり前のことで誰でもするだろう。だから今ある政策は選挙に勝つ以外に最小限のことしかしない。
さてトランプが大統領になってからの政策は彼の経験、出自、資金的な面などから導き出される。
トランプは不動産会社の経営者であった。6回か7回破産し立ち直り、今や富豪の一人であろう。彼の政策はそんな経験から導き出されることが多い。
では会社の経営者は何を考えて会社を経営しているだろうか。勿論自分自身のことは何にも増して優先されるであろうが、それが満足させられると会社の利益と将来の発展だろう。
だからアメリカ国の経営者としての彼は当然アメリカ国の利益と将来を考える。アメリカは世界一の経済大国であり軍事でも他を圧倒している。
その一番の状態を失うのは経営者としてプライドも許さないし、もし二番にでもなれば国の利益は大きく減少する。
だから中国を一番にさせないためにはあらゆる手を使って蹴落とそうとする。一番望ましいことは中国という国が滅亡し、何か国かに分れることだ。
ソ連がそうであったようにそれは戦争という手段を用いずに経済的に破綻させれば良いのだ。戦争は費用が掛かるし、アメリカ人の死者も出るだろう。そういう事態はできるだけ避けたい。
原子爆弾という厄介なものがあり、もし全面的な戦争になれば両者及び周辺国にも災害が降りかかり、アメリカもなくなる可能性がある。だから全面戦争はしない。
だが原爆を使用しない代理戦争はやる可能性があり、それはすでにイランなどで起こっているし、朝鮮戦争もそうだった。イランは中国やロシアよりの国でイランが衰退すれば中国やロシアも困ったことになる。
今中国は自業自得で経済が混乱して収拾が付かない状態だ。だから一番目に大切な選挙で勝利した場合はすぐに元に戻って中国を亡ぼす政策を再開すると思われる。
選挙の前は北朝鮮や中国のお世辞を言い、お為ごかしの政策を取る。だが本心はそうではない。選挙後はまた一波乱あるだろう。
なおアメリカだけが大切だといってもその一番良い状態を維持するためには友好国である日本、イギリス、EU、イスラエルとは目的が合致する点においては一歩譲ることもあるだろう。
だがそれはその相手国の利益を考えてのことではない。あくまで自国、アメリカの利益に結びついていないと相手に譲歩することはない。
次は社員だ。国に取って社員とは国民のことだ。国民が働いてくれないことには国は利益を生み出さない。だから国民を大切にするだろう。
だが自分を選挙で選ばない人物は彼に取ってある一面有害である。だがその人物たちも社員だ。そういう意味では大切だ。
彼はロックフェラーやロスチャイルドのような守銭奴ではない。両者及び金をただ集める人物あるいは会社から金を巻き上げて社員、すなわち国民に分け与えたいはずだ。そうすることによって国民は潤い、不必要に集められた金は生かして使える。
勿論トランプにも正義感があるし、アメリカ人の好きな英雄にもなりたい。だから中国の辺境の人民、北朝鮮の一般国民を弾圧から解放する方に動くだろう。
そしてイスラム過激派がアメリカの友好国に不利益を与える事態が生じればそれらを破壊する行動に出る。
アーミテージは政治家か官僚だろう。会社の経営者の考えは論理的に分かっても心底理解することはない。だから予測不能と言ったわけだ。
トランプは会社を経営するような気持ちで国を運営している。その際自分が次に打つ手を教えたくない。教えれば会社(国)の利益が損なわれる。彼は正確で素早い行動を取る訓練をいやというほどやっている。彼は早く動き、そして正確だろう。
政治家とは何だ。官僚とは何か。ただの被雇用者ではないか。自分のリスクで仕事をしているわけではない。隙があればリベートを取り、自分だけのことを考える集団で経営者から見ると単なるチンピラだ。オバマもそうだった。経営者にならないと経営者の気持ちは理解できない。
酒巻 修平