「医者のデマ」という本

 近藤誠をいう人物が上記のような本を出した。この人のファンはいるらしいが言っていることが本当かどうか検証してみよう。

 [科学的根拠によれば医者の「効きますよ」、実はウソでした]という趣旨のことが書いてあるようだ。

 ということはこの人物は人の体を科学的に分析でき、病気がどのような機序で起こるか分かっているのだろう。

 だが医学は人の体の制御機構を解き明かしていない。医学に限らず生理学、その他の学問はこの難題に関して手も足も出ないのが現状である。そんな中この人物だけが人の制御機構を解き明かしたとでも言えるのだろうか。嘘だ。

 この人物は更に言う。低体温こそ長生きの秘訣だ。ではその証明はできるのか。証明は成り立っているのか。

 寿命は何故あるのかも分かっていない。それなのに低体温になれば長生きすると考えている。いや考えているのではないだろう。

 単なる思い付き、あるいは奇抜なことをただ言って本を売ろうとしているだけだ。出版社はXKnowledgeというらしいが、こんな出鱈目本を出版するのは極めていかがわしい。

 私が医師であれば反論には何かの利益があるだろうが、私は医師ではない。ただ論理的にこの人物の述べていることに非常な不誠意を感じる。

 [実は危ないゴルフ。55歳以上の「スポーツ中の突然死」1位]。これは統計的に言えることなので、事実に近いかも知れない。ただ統計の落とし穴もあるのでそこは気を付けたい。

 人の体に適度の紫外線は有用であるが過度の紫外線を浴びることは害になる。これも実験的、統計的である。確かにそのような統計はあるだろうが、紫外線が何故有用なのだろうか、有害なのか、体が紫外線に対してどのように反応し、利用しているのかは解明されていない。

 [糖質制限を続けると深刻な病気や早死のリスクが高まる]。これも怪しい。糖質は炭水化物から変化して自然に摂取できるはずだが、もしパンやごはんも食べないならこの人物の言っていることは当てはまる可能性があるが、この人物の「糖質制限」は違うことを言っているように思える。

 [ストレスとがんは無関係]。なんとも言えない。何故ならストレスはどのような状態に脳がなっているのか、その状態がどのように体に作用を及ぼしていくのか世界中で誰もが分かっていない。

 だからこの人物の言っていることが正しいのか間違っているのか、検証の方法はない。だが言えることはこの人物もそれが正しいと証明できないのだ。

 [早く切らないと大変なことに]は統計的には正しい。癌の早期発見、処置は効果を上げていることは事実である。放置しておいても免疫系統が癌を消滅することもあるとは思うが、それは例外的である。

 早期治療:放置=99:1くらいが治癒の統計的な数値か。あなたはどちらを選ぶのか。本人の意思次第だが、私なら99%の方に掛ける。

 この本の著者近藤誠という人物は自分が言っていることに責任を持てるのか。多分そうではないだろう。ただ奇抜なことを言って悩める人を翻弄しているに過ぎない薄汚い人物に思える。

 [集団検診も欧米には存在しない]。これは事実だろう。だがその結果が健康に良いとは言い切れないではないか。

 本のタイトル「医者のデマ」は私ならこう言う。「近藤誠のデマ」。何しろ医学は病気を治せない。治すのは症状だけだ。何故なら病気の原因が分からないからだ。

 ウイルスが原因でなる病気はある。だがこの原因は本当の原因ではない。ウイルスは単なる病気の切っ掛けでしかない。ウイルスが体内に侵入すれば何処がどのように問題を起こしそれがどのような機序で病気が発症するのか、医学やその他の学問は解明していない。

 こんな詐欺まがいの言い分を信じてはならない。面白い読み物としてなら価値はあるかもしれない。この人物の根拠が証明されていないようなことを平気で書く神経は驚嘆に値する。その精神はどこかで役に立つかも知れない。だが健康にはまず役立たないだろう。

酒巻 修平

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