安倍首相の賞味期限は切れたのか
安倍晋三氏が内閣総理大臣になり、日銀と話し合い日本の株価は大幅に上昇した。株価低迷に困っていた投資家や国の機関はこれで安堵した。
それからも首相はアメリカ初め、各国を歴訪し、精力的に日本のために働いた。国民はそんな首相の行動を評価して、安倍政権は史上最長を記録したのだ。
アメリカとは特に友好的な関係を深化させ、一応中国の日本侵略はない状態に持っていった。
日本自身のことが終わると今度は世界各国と仲良くする政策を強力に推し進め、韓国という例外を除いては日本を悪評価する国はなくなった。
これは偉大な業績であろう。その中にはあろうことかロシアやイランなどアメリカと敵対関係にある国とも一定の友好関係を結んだのは特筆に値する。
イランは日本より遠隔地にあるため軍事的な関係は薄い。だがアメリカがイランと軍事衝突するなか、その日本の友好国であるイランと友好的な関係を結んだのは石油という日本が渇望する資源の確保が狙いであっても、勇気のある行動だった。
だが韓国とはどうしても駄目だった。これは安倍氏に能力がなかったからではなく、韓国政府あるいは例外を除く韓国国民の異常な自尊心がもたらした状況で日本政府には責任はない。
EUから脱退するイギリスへ訪問して互いに協力し合うという外交は日本の大きな精神の成せる業であるように一般イギリス国民は思ったであろう。
英国は日本が明治になる前から友好国であったが、日本を占領しなかったばかりか、日露戦争時には日本の勝利に結び付くつく情報を与え、ロシアのような大国に戦勝したのは奇跡に近かった。これも英国のお陰であると言える。
その点日ロ不可侵条約を破って日本の敗戦が決定的になってから参戦したロシアとは考えを異にする。それを知っているのかどうか、英国政府、国民は日本を高く評価していると思われる。
その安倍氏はどこから変わったのか。あるいは長期政権を誇らしく自画自賛したころからか、安倍氏の考え方は当を得ないことが多くなった。
日本の憲法改正に異を唱えるのを防止するため中国の習近平を国賓として日本に招くなど目的のために取ってはならない不適正な政策を取ることが多くなった。
夫人の昭恵さんの立場を弁えない行動も安倍氏の足を引っ張ることが多くなったこともあり、国民の信が遠ざかった。
安倍氏が唱えた3本の矢の1~2本は実行が政策の変更で比較的簡単に成し得たが、3本目の実態経済は安倍氏が考えているほど単純ではなかった。
これは安倍氏が引退するまでには達成できるとは思えない。何故なら安倍氏はビジネスを知らないし、経済政策に関しても高度な技術を持たないからだ。
お祖父さんのころからの悲願であった憲法改正が安倍氏の一番の目的だと思料するが、これも業績半ばで終わるだろう。
そしてとどめを刺したのか今回の新型コロナによる肺炎の流行だ。これは一人安倍氏の所為ではないが、中国に遠慮し、対策が極めて遅かった。
小池氏の無能さも手伝って東京では感染の拡大が止まらない。マスクは一人2枚無償配布するために支出する国家の財源は無駄である。
たった2枚では人にはどういう援助にもならない。せめてそれを20枚にすればまだ効果はあるだろうが、2枚を配布するための付帯経費はコストパフォーマンスが悪すぎる。
中国にある意味阿る政策を取り出したころから、この首相の賞味期限は切れたのではないかと思われる。
政治も人がやることだ。安倍氏は日本のために頑張ったが引き際が悪くてマイナス点を付け続けている。
長期政権の難しさは政権担当者の精神を正しく、適正に保てないことだ。その罠に安倍氏も落ち込んでしまった。
だが今は緊急事態で、引くに引けない。これは安倍氏も感じているだろうが、何とも悪いタイミングで新型肺炎が流行したものだ。
酒巻 修平