借金をたのまれたら

人にお金を貸すと書面にしていなくても「金銭消費貸借契約」を結んだことになります。貸した方は貸主で借りた方は借主です。消費というのはその借りたものが一度消費してなくなるということです。しかし例えばギターを借りたら「ギター使用貸借契約」になり貸し借りの性質が少し違います。ギターの場合返すのは同じギターです。これは一字使用するのですが、後日同じギターを返却します。

 さてこれは契約ですから、お金を借り主が返せなければ契約違反となります。返済期限内に決められた金利共々返却されれば契約は履行されたことになります。もし貸主が約束していながらお金を貸さなければ、これまた契約違反で借主から契約の履行を求められ、お金を貸さなければ訴訟されることもあります。

 しかし大概の場合問題になるのは借主がお金を返さない場合です。これは契約違反ですが、考えなければならないのは契約に履行には二つのことをクリアしなければならないことです。

 一つは契約を履行する意思。この場合はお金を返そうとの気構え、考えです

 もう一つは契約を履行できる能力があるかどうかです。

お金を借りて最初から返す意思がないとこれは詐欺で、刑法違反です。裁判になって有罪が確定すると前科が付きます。一般的にはこんな人は少なく、普通借りた人はお金を返す意思を持っています。困るのは契約を守る能力がないことです。

 統計は取ったことがありませんが、銀行などではな個人からお金を借りた人にはお金を返す能力がないと見るのがいいでしょう。返す能力がある人も勿論いますが、普通は返す能力がないからお金を借りるのです。返す能力のある人は確実な入金予定がある人です。例えばある人が会社からお金を借りることがあります。これを前借りと言いますが、その人には給料日に給料という確実な入金予定があるから、借りたお金を返すことができます

 お金を貸すときはこの入金予定を訊いてみればいいのですが、ほとんどのケース入金の単なる可能性であったり、まあその程度のお金は入ってくるよとか、確実な入金予定がない場合がほとんどです。

 お金を借りる人は返す意思はあるが返す能力がない人だと言っても過言ではありません。勿論例外はありますが、貸す人は上げる積りで貸さなければなりません。ですから自ずと貸す金額が少額の場合でしょう。

 さらに個人にお金を貸すには色々なリスクが伴います。その人が交通事故にあったり、入院したり、酷い場合は死亡することも想定しなければなりません。会社に貸すときは会社が健全なら社長にもしものことがあっても、会社という法人が返済をします。ですから銀行は個人にはきっちりとして担保がない限りお金を貸しません。きっちりした担保の一番は不動産です。ですから住宅ローンは借りやすいのです。この場合さらにもし返さなければ住んでいる家を取られてしまいますので、借りた人は何としてでも返そうとします。別荘を買う資金の借入は難しいのはこの辺にあります。別荘など取られてもおおごとではないのです。

 契約を履行するには履行する意思と履行できる能力です。お金ではなくこんなケースもあります。ある会社の社長と隣の会社の平社員が会社を抜け出してカラオケに行こうと約束をします。これも一種の契約ですが、一方の社長は時間の余裕があり、会社などいつでも抜け出すことができます。ところが平社員の場合、突然急用ができれば会社に留まって仕事を片付けなければなりません。社長には会社をいつでも抜け出せる能力があるのですが、平社員の場合は必ずしもそうではありません。契約するときには相手の契約履行の能力をよくチェックしましょう。

 このように社会生活においては必ず二つの側面があります。お金を貸す場合は相手の返す意思と返す能力です。人の行動や体の機構は全て二進法的で、裏表や有形無形など二つの事柄に分析して考えると分かりやすいと思います。

酒巻 修平

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