17-2-15のニュース裏読み ー 残業制限

 私の会社が付き合っていたアメリカ西海岸時間にあったダカインという会社のNo.2の男性(No.1の社長は怠け者のハワイアン)は夜の12時ころにメールを打っても返事がすぐに返ってきた。電話を掛けておちょくるとまだ仕事をしていて俺の人生は暗いなどとジョークを言った。実際には仕事を楽しんでいたようだ。

 学業優秀な友達が3人も大手の自動車会社に就職をした。高度成長期のころ、ちょうどアメリカに日本製の車が売れ出したころである。ある日一杯飲もうよと電話を掛けると忙しくてそれどころではないとのこと。事情を聞くと毎日終電車で帰宅していると言う。

 この男どもの誰も病気にもならなかったし、まして過労死はしなかった。理由は多分彼らが自主的に(ここが大切)自分の名誉のため、会社のことを思って、あるいは自分しかこの仕事ができないとのプライドのため、遅くまで残業していたからだと思われる。

 時と場所が変り、日本では残業量の多さが心身に大きなダメージを与える、そこで残業に時間制限をしようと政府は考え、実行に移しつつある。ただ企業の経営者、特に中小企業の社長は政治家や官僚より利口だから、そんな政策は直ぐに裏をかかれると思う。会社でし残した仕事を家に持って帰りやる。退社していないので退社したようにタイムカードを押して仕事をしていないように偽装する。

 問題は心の持ちようにあるように思われる。残業する人が自主的でなければ、心身に問題が発生するだろう。無理矢理やらせた、上司が圧力を掛けた。疲れているのにその人の体を慮らない、などの状況の下で長時間労働すると、精神が付いてこないので、体は悲鳴を上げる。

 会社と上司に労働者を暖かい目で見てやる心はもうなくなったのか。アメリカのように金の亡者に企業が変貌したのか。今はできるだけ多くの利益を得るために企業を経営する。企業は株主や経営者のためだけにあるのではない。一般の労働者のためでもある。そこを考えずに、うわべだけの残業規制をやると陰で残業をするか、他国の同業者に仕事をさらわれるか、政治家、官僚は良く考えなければならない。

 このような政策を実行しようとしている官僚、政治家の上のクラスの人は毎日残業に残業を重ねて日本国のために仕事をしている。自分たちにも残業規制をしてはどうか。アメリカから政府高官が来ることになっても残業をしては駄目だ。選挙に立候補をした人であっても一日10時間以上働いては駄目だ。これで事態は正常に動くのか。

 私も毎日10時間以上働いている。勤労時間の制限が法制化したら、そんなことが禁止になるのか。私は仕事が好きだから働いている。土、日曜は別として、仕事時間数を制限されたら退屈で死ぬだろう。そんなことを言わずに働かしてほしい。

 過労死をする人はとても気の毒だ。しかし本当の原因を詳しく調査してほしい。労働時間が長すぎてそうなっただけではなさそうだ。上司からの圧力、不得意な仕事を延々やらされた。あるいはいじめに似た状態があったのではないか。そんな別の理由も介在しているように思われてならない。

 政策を政府に上申するような責任ある官僚、それを受けて立法する政治家。そのような人たちは政策を決定する前に現場の状況を自分自身で調査すべきだ。情報は一番下にあるのだ。事務処理のプログラムを自分自身で構築してはどうか。決算期が迫った経理担当者になりなさい。暫くは10時間以上働くことになる。そんなに働いては駄目だと言われると仕事にならない。

 昔、ゆとり教育という愚にも付かない政策を実行した文部科学省(当時は文部省だったか?)の馬鹿官僚は今反省していると言う。今度はゆとり仕事という訳か。政策を立案、実行に移す担当者が馬鹿ではこの国は歪んでいくだろう。

 私が経営する会社では労働時間制限令などが出ても、それを守る気持ちは一切ない。仕事はやらせるが社員に感謝をし、それなりの報酬を与え、女性社員にはたまにケーキをお土産に買って帰ってあげる。

 ある日、会社に朝早く来ると、女性社員がメモを残していた「今12時です。疲れたからもう帰ります」と書いてあった。ある男性社員が夜中2時まで仕事をしているのを発見した。私はその社員に12時以降仕事をするのは禁止だと命令したが、彼はやっぱり隠れて仕事をして私を困らせた。

酒巻 修平

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次の記事

心肺機能の効率的な使い方