退職理由 一位?

 会社を辞める理由は人によってさまざまでしょう。定年で退職する人は別として、何が理由で会社を辞めるのでしょうか

 給料が安すぎることもあるでしょう。あるいは会社の引っ越しで通えなくなった人もいます。仕事が厳しすぎる、労働時間が長い、やっている仕事は自分には手に負えない。

 私が昔努めていた会社で、夜中の2時ころに突然出張中の上司(この時は社長)から電話が掛かってきて、泊っているホテルに直ぐ来て欲しいと言われました。何事が起ったのかと慌てて駆け付けました。そしてその上司の前に立って命令を待っていましたが、一向に要件を言ってくれません。

 結局何のことはない。自分は酒を飲んできて眠れないものだから、私に相手をさせようとしただけでした。夜の2時にですよ。

 こんなことが続き、私は退職しました。こんな会社で一生勤める気にはなりません。新しい会社では貿易実務ができる人を募集していました。私にはその経験があったので、すぐに採用ということになり、勤め始めました。しかしこの会社もまた利益を全く出すことのできない会社で、給料を遅配するし、屁理屈を付けて給料を減らすようなとんでもない会社で、そこも3年あまりで退職しました。

 しかしこんな例は少ないように思われます。今は結婚すると奥様も勤めを持っていらっしゃるからか、両親からの援助があるからか、金銭関係で退職する人は少数派ではないでしょうか。

 実は会社から何らかの事情(定年退職が一番多い)で止めて欲しいと馘首される以外ではストレスを感じて止める人が一番多いのです。

 会社には山のような種類のストレスがあります。上司やお局さんからのいじめ、同僚との確執、時間外にも自由がない、勤務時間が長すぎる、有給休暇がなかなか取れない。職場の雰囲気が自分と会わない。などなど。

 数え上げればきりがありません。こんなことは以前からありましたが、だんだん多くなってきているような気がします。

 それに対して会社は対処しているでしょうか。残念ながらほとんど手付かずの状態だと思って良いでしょう。優秀な社員がストレスで止められると会社は困ります。上場している優秀な企業はいいとしても、中小企業にはなかなか人が来てくれません。募集には莫大な経費が掛かるのです。

 私が会社に勤め出したころはまだ家に風呂はなく、テレビ、電話、掃除機、洗濯機、エアコン、何もありませんでした。次のボーナスでは何を買おうか楽しみにしたものでした。

 ところが今や全ての家庭に家電が入って、家電メーカーは売るものがなくて利益がほとんど出ない。そんな時代になりました。物で溢れている時代の到来です。

 今や求められるものは形をなす物ではなく、無形のものなのです。海外旅行やヨガ、スポーツジム通い、パソコンゲーム、日本人に取って有形の物事を欲しいというのは過去になったのです。

 それなのに会社ではまだ有形の物だけが必要と思っているようです。確かに利益が出なければ高い給料を払って上げられない。そうではあっても働きやすい環境を作る努力を怠っているとしか思えません。

 会社はオーナーに取って、利益を生む金の卵ですが、その金の卵を産む社員に元気がなくては多くの卵を産めません。会社はオーナーのためだけではなく、社員のためでも社会のためでもあるのです。

 人をいじめてストレスを与える人はストレスを持っている人です。会社は何らかの手法でそんな人にも優しくなれるように対策を講じなければならないでしょう。人が社会に対応するのは物心の両方が必要です。片方の心のケアをしなければ会社がなりたたない時代がもうすぐきます。

 今後は社会全体で人に善意をもたらす方法を考えなければなりません。それには先ず子供のころから優しい心を持つように、お母さんが指導しなければならないと思います。どの子供を見ても可愛くて無邪気で、人をいじめることはありません。年とともにそんな悪性が出てくると思われます。

酒巻 修平

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