社長の英語教育

私は会社を始めたころすでに英語の読み書き、会話がある程度できていた。我が社の入社資格には英語の読み書きや会話は入っていない。貿易実務の担当者でもだ。

 英語を教えるにはまずその人がどの程度英語ができるかを聞いて、テストする。中学校を卒業すれば英語の勉強を少しはしtaことがあるだろうし、貿易実務の仕事を志して来る人は少なくても英語に興味がある。

 しかし先ずほとんどの人が実務で通用する英語を使うことはできない。そこで出鱈目でもいいから英語で書いてみろと指示する。文章は何でもいいが、例えば「御社が製造する飴を輸入したい。サンプル代は支払います」など頻繁に使われるような文章を使う。

 入社した人は緊張していてなかなか進まない。だからあまり考えずに書けと促すとやっと書き出す。

 「This is a formal registration of our interest in importing your candy. Sample billing is acceptable.」程度が正解だろうが、こんな英語は最初から書ける訳がない。「We import you make candy. We pay money sample」程度かければ大丈夫だ。

 それを見て私は日本語の単語を全部英語にしろと言う。でも大体書いた積りだと応えが帰ってくる。しかし日本語の中の「したい」はないよと指摘すると「したい」は何と言うのですかとか聞いてくる。少し考えさせるが出てこない時は「want」というのだよと答えを教えてあげる。すると書き直して「We want import」と書き直す。

 その次に教えるのは同じ種類の品詞は続けて出てこないと言うことだ。それでまた書き直させるが分からない。「want」と「buy」はどちらも同じ動詞だよ。どうする?中学校で習らわなかったかと聞いても忘れて答えられない。動詞を続けるときは間に「to」を入れるといい(例外もある)。そうすると「We want to import ・・・」となって少し英語らしくなる。

 「We pay money sample」ここにも同一種類の品詞が二つあるよ。「money」と「sample」はどちらも名詞だ。どうする。そう聞いても最初は答えられない。高校か大学を出ていればこの程度できるのだが、よっぽど優秀な大学を出ていなければ正解ができない。取りあえずここは「We pay money for sample」と「for」を中に入れればいいよと答えを教えてしまう。どうせそのうち前置詞の意味など自然に分かるから無視する。

ところで「girl friend」は名詞が二つ続けて出てくる。しかしこの場合「girl」は形容詞として使用されているので、セーフだ。こんなことを3か月もやると動詞のことや日本語の語彙に対する英語が分かってくる。この方法は二つの意味がある。一つは全ての日本語の単語を英語に直す。もう一つは同じ種類の品詞は続けて出てこないということだ。

 大体慣れたら次に進むが、一回でも間違えばまた元に戻って、やり直させる。基礎をみっちりやると次に進むときに理解が早い。

 彼が書いた英語の「We want to import you make candy」では「We」と「you}の二つの主語がある。実はこれは「candy you make」とするのが適切なのだが、この用法を学校では関係代名詞と教えている。でも煩雑なので今は「your candy」とさせておく。

 そんなことと並行して、「We want candy」とかの一番簡単な文法を使った英語の文章を相手が正解して飽きるまでやらせる。飽きるということは頭の中にそんな語順が完璧にインプットされて抜け出さないことだ。

 その次には少し煩雑な文法をまた飽きるまでやらせる。この飽きるまでが肝心で学校の勉強では飽きるまでやらないからすぐ忘れてしまう。だから学校の勉強は会社では役に立たないと言われているが、そうではない。自分で飽きるまでやればいい。会社では同じような文章が飽きても毎日ほど出てくる。忘れる暇がない。

 一つ注意するとすれば、「we」とか「you」とかをできるだけ主語に持って来ないことだ。その方が英語っぽい。しかしこんな英語が日本の町場には氾濫しているし、まともな会社が作って使っている英語もダサいものが多い。

こんな教え方は自分が英語を使う困難さをどのようにしたら克服できるかを考え、実際に試して作ったもので、英語が不得意な人を対象としている。文部科学省の人や先生が机上で作り上げたものではない。

アメリカ人が我が社に来たときたまたま社員の友達で英語の先がいた。後で聞いてみるとそのアメリカ人と話せなかったのはその英語の先生だけだったそうだ。多分文法を考え過ぎたのだろう。

最初に出て来た「We import you make candy. We pay money sample」でもアメリカ人には充分通じる。親切で英語を使ってやっているのだから、向こうは日本人の英語を理解する努力を100%しなければならない。我々は大統領の演説原稿を書いている訳ではない。何を言いたいのかが分かれば良いのだ。

ところで上記の「This is a formal registration of our interest in importing your candy. Sample billing is acceptable」程度書くと相手は身構える。この英語は相当プロっぽいからだ。直訳の意味は「茲許、貴社製造に関わる飴を輸入する我が社の興味を正式に登録致します。サンプルに対して売上伝票を切ることに同意します」という意味だ。

私自身はアメリカの優秀な人の書いた英語で参考になるのを、拾って覚えておく。上記はその結果から出て来た英語の表現である。

酒巻 修平

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