目次
今日の言葉
菜根譚より引用
前段71)福を招き禍を避ける
幸福というものは、これを求めようとしても求め得られるものではない。福を求めようとするには、「笑う門には福来る」のたとえのように、常に喜び楽しむ愉快な心持を養い育てて、福を招き寄せる素地を作るほかはない。禍難というものは、これを避けようとしても避けられるものではない。禍を避けようとするには、常に人を害せんとする殺伐な心を除き去って、禍を遠ざける方法を考えるほかはない。
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
受動的な笑いと能動的な笑い
人間の笑いには「受動的な笑い」と「能動的な笑い」があると考えられます。
「受動的な笑い」とは、外部刺激に反応して生じる笑いです。友達との楽しい会話や面白い漫才を見聞きしているときの笑いがこれに当たります。
一方、「能動的な笑い」とは、自分の意識で「笑おう」とする笑いです。つまらない環境にいても、「笑おう」や「楽しもう」と意識的に笑うことを指します。
「笑う門には福来たる」という諺が示す笑いは、この能動的な笑いだと考えられます。
常に喜び楽しむ心を育てることで、今ある幸福に気づけるのではないでしょうか。
笑いには、ストレス緩和や心の解放といった効果があります。
苦しいときこそ笑おうと意識することで、ストレスが和らぎ、心が開かれ、解決策が見いだされることがあります。
この2つの笑いを理解し、どちらの笑いも楽しめるようになれば素晴らしいと思います。
人生において、楽しいから笑うのと、笑うから楽しくなるのは、結局同じ結果をもたらすのではないでしょうか。
菜根譚前段「福を招き禍を避ける」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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